先日発売になった、
青池保子氏の「Z 完全版」が到着しました。
掲載当時は学生で、
青池氏の描く作品世界や絵、
特にカラーの凝り方には
とてもとても心を動かされました。
なんせ夢と現実がごちゃまぜになっていた
子供(といっても高校生だったけど)でしたから、
自分も作家とか漫画家になれるかもしれない、
いや、なりたい、などと
実現できるはずもないことを
信じていた者の目には
おこがましくも目標とかにさせて頂いてました…
で、この手の作品が1冊のコミックスなり文庫にまとめられると
単色印刷で上梓されますから、
必然的に雑誌で見慣れた、色つきページは
すべて白黒処理をされます。
色の記憶が残っている絵に関しては
ほぼ完璧にイメージできますが
できるよね????
忘れないですよねえ????
見たことがない絵は
いっくら高解像度処理をされた白黒でも
魅力は損なわれます。
絵の質がよければ、色があろうとなかろうと
感銘を受けるものではあるんですが、
白黒、カラーと発表の場が違う絵なんですから
同じ土俵で並べないのは明らかな損失です。
で、今回、単行本等で未収録だったラスト1作も含め、
カラーページも少カットごとまとめて1冊になった本が
発売になったんですね。
雑誌がB5だったんだから、
A5は版が小さくなって迫力不足…
なんて贅沢は言ってはいけません。
けど、サイズもリアルに再現して欲しかったかも、と
ワガママを言いたくなるくらい、
カラーページの発色は見事でして、
これなら長く楽しめそうだ、と納得できる1冊でした。
思えば、80年代~90年代の漫画って
絵の描き込みの密度が半端無く濃いので
絵を眺めるだけで飽きないんですよね、
力量ある作家さんの場合。
もちろん、話も相当練られていますので
読む側もかなりの集中力を強いられます、
1冊丸々緊張するので、初見の方は読み疲れるかもしれませんが…
で、帯にですね、「完璧なZ」のコピーが。
Zもいいけど、
長年のファンとしては
エロイカより愛をこめての完璧な姿を
見たいんですけど…
コミックスや文庫、画集の過程でこぼれたカラーページを
もう一度見てみたい、今の印刷で、って
思っちゃうんですよね。
大変長い本作、コアなファンでもついてこれるか、
商品として成り立つかどうか微妙ではあるんですが、
長年のファンほど望んでいると思うんですよね。
みんなそこそこいいトシだし、
持つべきものは持ってるお年ごろだし。
文字通り、金に糸目は付けないんじゃないでしょうかね。
(昨日のblogでは庶民だなんだと書いておきながら。
矛盾する言い分だなあ、と自分に突っ込み)