翻訳者の散歩道

  ☆ 法律翻訳者の思考のあれこれ ☆
(「翻訳者になりたい人のためのブログ」を統合し「第ⅡBlog〇〇編」と表記)

表現の自由から見た「livedoor vs fujiTV」

2005年02月25日 | 法律
今世間の注目を集めているlivedoorによるニッポン放送株式の取得。
最初は株式の数字の争いかと思いきや、新株(予約権の)発行によりニッポン放送とfujiの親子関係が逆転!?というウルトラCが出ました。
ハラハラドキドキ、手に汗を握るとはこのことでしょうか。

ところで読売新聞の25日の社説にこの問題を表現の自由の観点から捉えた非常に興味深い記事が載っていましたのでご紹介しますね。
お読みになれば一目瞭然ですが、簡単に言えば、電波法は(電波の公共性という観点から)外国法人には無線局の免許を与えておらず、議決権の比率も制限しています。ところが外国法人が放送局を直接支配できなくても日本企業を間にはさむことにより間接的に支配が可能になるという法の抜け穴があったのです。

今回の事例にあてはめれば、livedoorが株買占めの資金調達としてCB(転換社債)を外国企業を引受先として発行した→将来社債が株式に転換されればlivedoorを外国企業が支配する可能性も出てくるということです。

これまで商法の観点からのみ捉えがちでしたが、憲法の表現の自由、言論の自由という観点から見ると違った側面が見えてきますね。

非常に勉強になります。裁判所は差止請求に対してどのような判断を下すのでしょうか?

星の神秘-その2

2005年02月25日 | 歴史
前回の星の神秘(2/10)では、西洋の星占いについて書いたので、今回は東洋です。

東洋独自のものとしては、古代中国から伝わった陰陽五行の思想があります。
万物は陽気と陰気からなるとする陰陽説、木火土金水からなるとする五行説が合体したのが陰陽五行説。
これも、天体の太陽と月、木星、火星、土星、金星、水星の5惑星と不可分で、その相関ルールを発見してそれを基本とするものです。
陰陽五行の思想は日本に伝わって陰陽道が成立し、鎌倉から徳川あたりでは幕府から庶民まで広まっていきますが、明治維新を機に迷信として退けられてしまいました。明治政府はグレゴリオ暦(あっ、授業でやりましたね?)に改暦し、陰陽道を追放。

しかし、最近は陰陽道や風水(同じく陰陽五行が元)がメディアに度々登場しています。
また、この思想から分化した十二支は、現代も日本人の精神的慣習として生き続けています。
例えば、自分の干支が何か知らない人は多分いないでしょうし、年賀状に干支を書くのも違和感がなく、結婚式は大安にする人が多いですよね。

やはり、こちらも科学的に未解明のまま、私たちの生活にとけこんでいるようです。

翻訳者と栗まんじゅう

2005年02月24日 | 雑記
「翻訳者とチョコレート」に続く甘味シリーズ第2弾!(笑)
チョコの記事に「和菓子もお試し下さい」というコメントを頂いてから気になっていたところ、タイミングよく栗まんじゅうを頂きました。
チョコはすぐ溶けるので即効性があるような気がしますが、栗まんじゅうはやんわりとしていて徐々に脳疲労に効いてくる感じ(一体何を言おうとしているのかわからん)。

今年は税金の申告もまだでちょっと心配。
来週は授業が3コマ(英日上級1コマ+日英2コマ)あるので翻訳はペースダウンせねばなりません。
授業の準備には丸1日以上かけます。特に日英は人数も多く準備には気合が必要です。
これも好きだからできるのでしょうね。苦と思ったことは一度もありません、ハイ。

二足のわらじ

2005年02月23日 | 英語・翻訳
翻訳と翻訳教育の2足のわらじをはいています。
大変でしょう?とよく聞かれますが、答えは「いいえ!」

何しろ楽しいのです。
人に教えるということが性に合っているようです。
「授業はとても楽しい!」と生徒の皆さんがおっしゃって下さいますが、私も楽しいのです!

生徒さんのほとんどが法律は何も知らない状態でクラスに入ってきます。
その方たちがクラス終了の頃には見違えるように成長しています。
それを見るだけでも嬉しくて・・・。

数年前、(学校で教えていた頃)リーガル1期生の夏休み明けの授業に取材が入ったことがありました。
その記者さんが「皆さん、何期も学習しているのでしょうね。」とおっしゃったのです。
「とんでもない!皆始めてなんですよ!」
第三者からも皆の上達ぶりがわかったんだ!と、非常に嬉しかったです(^_^)

「では、教える方だけにしたら?その方が儲かるでしょう?」と言われることもあります。
儲かるかどうかは別にして(汗)、翻訳を通していろいろな方面の知識を吸収し、その都度知的好奇心を満足させていくことができます。
また、最先端のビジネス事情に触れ、いろいろな経験を積み、需要の動向を把握し、それを授業でアウトプットするのです。もちろん守秘義務がありますから内容には触れられませんが、精神的エネルギー源です。

ですから、私にとって翻訳実務と翻訳教育はどちらも欠かせない車の両輪なのです。

春は稼ぎ時

2005年02月21日 | 英語・翻訳
春は翻訳者(ビジネス系)の最も忙しい季節です。
まだ2月ですが既にオンシーズン。
と、いうわけで朝から<チョコレート&胃薬!>のお世話になっています。
(もちろん朝食は別にちゃんととっていますよ)
*チョコレートについては2/3の「翻訳者とチョコレート」参照

食事と言えば、どんなに忙しいときでも必ずとるようにしています。
やはり脳に栄養を送らないと勝負になりませんから。
でも、駆け出しの頃(今でも駆け出しですが)は片手で食べられるようなパン類を昼食用に用意していました。片手でキーボードをうち、片手でパン・・・という感じ。
そのときは「売れっ子」の仲間入りをしたと思って喜んでいました。

ところが!それが非効率的であることに気がついたのです。
そう、推敲に余計時間がかかるのです。
それからは、10分でもPCから離れてテーブルで食べるように。
気分も変わるので効率も落ちない。

皆さん、どんなに忙しくても(ちゃんと)食べてね!
(エネルギー充電は欠かせないです)

留学は必要?

2005年02月19日 | 英語・翻訳
翻訳、通訳は<スキル>です。
留学経験の有無は関係ありません。

英語の読・書・話に不自由がなくても
即、翻訳や通訳ができることには必ずしもなりません。
それなりのトレーニングが必要で、専門分野の翻訳の場合、特にそのように感じます。

この点、誤解している人も多いようです。(私もこの世界に入る前はそう思っていました)

留学等で英語を体得している人が翻訳・通訳のスキルを身につければとても強力。
反対に、
留学経験がないというだけで、翻訳や通訳で活躍することをあきらめないで下さい。
実際に、留学なしに通訳や翻訳で活躍している人はたくさんいますから。

初心者です

2005年02月18日 | ブログ
実は!ブログは初心者です(まだ2週間・・・)。

密かに?「ブログの使い方」というページを見ながらやっています。
たしかに操作はHPより簡単のようですが、「慣れ」ていません。
(現時点ではHPをいじる方が慣れていたりする)
でも、頂いたコメントはすべて読んでいます!

最初は生徒しか読まないだろうと思っていたのですが
いろいろな方に読んで頂いているようで驚き、かつ感激しています。

どうか今後もよろしくお願いいたします。

---------------------------
追記:今、gooでトラックバックの練習してきました。やってみれば簡単!

和訳と英訳-その2

2005年02月17日 | 英語・翻訳
英日と日英、私も言い間違えます(笑)。
日英のつもりで「英日の場合・・・」と授業で話していたことも。
そういうときは生徒さんの反応から誤りに気づきます。皆、頭をフル回転して異様なほど静かになりますから。
「あっ、今”英日”って言いました?日英の話です」爆笑 OR 嘲笑で決着です。

ところで、英日と日英翻訳、どっちの需要が大きいかと聞かれれば、英日でしょうか。<分野>によっても需要は異なりますが一般論としては英日。もっとも最近は日英の比重も増えてきてますね。
ちなみに私の専門分野(法律)は結構日英の需要が多い方だと思います。

ある翻訳者に日英の仕事が多いということは、必ずしも一般的に需要が英日より大きいということを意味するのではなく、日英である程度のレベルに達している人(使える人)の層が厚くないということではないでしょうか。
これまで見てきた限り、そのように感じています。
まだまだ直訳調が多い・・・。やはり生きた英文を体得した方が日英の上達は早いです。

つらい季節

2005年02月16日 | 雑記
つらい季節・・・。
いいえ、税金申告ではありません。花粉症です。

花粉症には数年来悩まされています。
不思議なことにその年によってどの症状が重いかが違うのです。
今年は、顔!
花粉皮膚炎とやらで、顔を防御していない状態で外に出ると花粉が皮膚につき炎症を起こすそうです。私の場合、頬が赤くなり熱くなります。

こういうときは通訳でなくてよかった!と思いますね。
真っ赤な顔をしてお客様に会わずにすみますから。

昨日ちょっと薬を変えてみました。
失敗!
猛烈な眠気、頭がボンヤリ霞がかかった状態に・・・。

それにしても昨日は仕事にならなかったです。
脳細胞が徐行運転に入ってしまったので。

こう考えると、やはり仕事は(できれば)予備日を設けておく方が安心ですね。

--------------------
明け方の地震怖かったです。
つ、ついに東京大地震か!と思ったくらい。。。

和訳と英訳

2005年02月14日 | 英語・翻訳
翻訳者は通訳者と違い、英日、日英のどちらかで勝負できます。
どちらから入れば効果的?と聞かれれば、基本的に英日から入る方がおすすめ。
生きた英文を体得することの意義は大きいですから。

いきなり日英に入った人の英訳文を見ると
いわゆる直訳が多く、はたしてどの程度ネイティブに通じるのか疑問なものも目につきます。

日本語の・・・というくだりは、英語では~と端的に表現できるということを知らずにチェックするとしたら、「日本語に該当する箇所がない=訳モレだ!」と日本語そのままを英語にして挿入してしまうケースもあるかも・・・?

翻訳学校で教えていたときは、授業が毎週昼夜あり、大所帯の英日クラスで手一杯だったのですが、昨秋からは授業を隔週にまとめることにより念願の日英を出すことができました。何と楽しいことか!

生徒さんは英日の学習経験ある人ばかりですが、相乗効果はとても大きいです。
概して、英日がある程度のレベルに達している人は、日英もスムーズに入れるようですね。

もっとも、最初は「う~ん、英日で勝負するよう勧めようかな」と思った人も、その後見違えるほどうまくなっている例もあります。

「継続は力なり」、けだし至言です。