翻訳者の散歩道

  ☆ 法律翻訳者の思考のあれこれ ☆
(「翻訳者になりたい人のためのブログ」を統合し「第ⅡBlog〇〇編」と表記)

著作権法の英訳登場

2006年10月31日 | 英語・翻訳

内閣官房の法令翻訳データに

著作権法が新たにお目見えしました(日英対比、pdf)。

   法令翻訳データはこちら

英文の条文見出しにも( )がついていますけど(@_@)

特許庁が出していた旧バージョンとあまり変わらないかも(詳細を比べているわけではないので推測、憶測)

おっ、有線放送の訳語が"wire diffusions"→"wire-broadcast"に変わっていました、訳注付きで。ちなみに、訳注にスペルミスあり"wire-broadicast(ing)" 

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このデータの活用法については、夏の感謝講座 and/or 日英クラスでお話しましたね。大丈夫かな?

 


祝!日ハム

2006年10月27日 | 野球
日本シリーズは日本ハムの優勝で幕を閉じましたが、新庄選手の最後の試合ともなり、すごい盛り上がりでしたね(^_^)

新庄選手は、8回くらいからTVでも泣いているのがわかりました。

それだけ、野球に完全燃焼したのでしょう。

男は人前で泣くものではない、とよく言われますが、
新庄選手の涙は、見ている方にもその思いが伝わる熱い涙でした。

惜しむらくは、相手が竜ではなくトラだったら、その感激も数倍になっていたであろうと思うと、ちょっと残念(゜゜)

日本ハムといえば、新庄選手のみならず、ヒルマン監督、小笠原選手まで今季限りらしく、不安材料が続出ですが、何とか持ちこたえてほしい。がんばれ日ハム!

季節の変り目

2006年10月25日 | 雑記

風邪で体調を崩しております。

風邪薬を飲むと、頭がボンヤリして仕事がはかどらないので、

ひたすら栄養をとる(爆)という方法でごまかしておりましたが、

だんだん症状が進み、ついに病院へ。。。

「フツーのカゼですね。」

今週末(新学期)までには治します

季節の変り目、どうかご自愛下さい。


時効の起算点

2006年10月13日 | 法律

昨日(10月12日)に、赤ちゃん取り違えによる損害賠償請求につき、東京高裁で東京都(都の産院で出生、取り違え)に対して2千万円の損害賠償金の支払を命じる判決が出ました。(DNA鑑定により両親が実の親ではなかったことを知ったXとその育ての親が、当時の産院を経営していた東京都を訴えた。)

ここで時効の起算点の話をちょこっと(^_^)

 時効には①消滅時効と②取得時効がありますが、本件では①の消滅時効が問題になります。

 債権の消滅時効(10年、民§167Ⅰ)の起算点=債務の履行を求めることができるとき。このときから時効が進行=10年という期間のカウントが始まります。

 本件で問題になったのは→契約不履行による損害賠償請求の時効は成立しているか?=その起算点はいつか?(注:ここで「契約」とは、赤ちゃんを取り違えずに、親に引き渡すというもの)

<第一審>は、時効の起算点を

親が産院を退院した時(1958年)と判断=10年の時効が既に成立=契約不履行に基づく損害賠償請求を認めず。

これに対して、<第二審>(昨日の高裁)は、
時効の起算点を

Xが血液検査で親子関係がない疑いを深めたとき(1997年)=10年の時効はまだ成立していない=損害賠償請求を認める。

このように、「消滅時効の起算点=債務の履行を求めることができるとき」をどのように捉えるかによって、時効の成立につき180度違う結論に達します。(起算点を動かすことで結論がコロっと変わるので、「起算点はいつか?」はとても重要な問題です。)

 不法行為(赤ちゃんを取り違えて引き渡した)に基づく損害賠償については、第一審、第二審共に、20年が経過しており、損害賠償請求は認めず。(民§724)

民§724 不法行為による損害賠償請求権の消滅

民法は、損害賠償請求権の時効による消滅につき、不法行為に関しては特別規定を設けており

「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」から3年間、「不法行為の時」から20年を経過すれば消滅する、としています。

ちなみに、前半の3年間という期間の性質は時効期間であり、後半の20年間の期間の性質は除斥期間と解されています。(注:消滅時効と除斥期間とは性質が異なります。)
除斥はじょせきと読むのですが、変換ミスで?除籍期間というのを読んだことがありますのでご注意下さい(笑)

 素朴な感想

時効制度の意義にはいくつかありますが、そのひとつである

「権利の上に眠っている者は法の保護に値しない」からすれば、

出生後(病院側の過失により)取り違えられたということをXが知った時から時効のカウントが始まる、という考える方が自然であり、妥当だと思いますが、皆さんはどう思われますか?

 


送り仮名に迷う

2006年10月11日 | 英語・翻訳

送り仮名に迷う人も多く、よく質問を受けます。

漢字、カタカナ、ひらがなの使用、送り仮名なども、翻訳のジャンルによって微妙に異なるようですが、

一応の目安として、用語辞典の類いも一冊あると便利。

 

’05-’06年版 朝日新聞の用語の手引

朝日新聞社

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アマゾンで検索するのに「~の用語の手引」と「き」を入れたらダメで、「き」を外したら出ました(笑)

 


デトックスvsボトックス

2006年10月10日 | 教室

いつだったか、教室でボトックスの話をしようと思い、「ボトックス・」と言った途端、生徒さんから「デトックス!?」との声が・・・!?

R: (@_@)(@_@)(@_@)

S:「毒を消すほうのDeじゃないですか?」

R:(うむうむ、おっと)「違う違う、毒を入れるほうです、ボツリヌス菌(を入れる)!」

爆笑・・・

確かに最近はあちらこちらに「デトックス」なる文字を見かけますが、早とちり=思い込みは禁物。この他にも、UFJとUSJ、OSAとUSAなど、信じがたいけどあり得る早とちりの例はたくさんあります

それにしても、すごいですねBOTOX。毒素を治療に使う!(注:宣伝費をもらっているわけではありません

最初は眼けん痙攣などの治療に使用されていたのが、今では美容にも使われ、外国ドラマでは事件解決の鍵として登場するほど。

ところで、ここで話がコロッと変わりますが(汗)、翻訳の仕事をしているといろいろな知識が身につきます。

自分とは縁のない世界、一生お目にかかることもなさそうなもの等々。
どんなものでも勉強になるのがおもしろい

 


ミスがでるとき

2006年10月04日 | 英語・翻訳

ミスがでるとき、(注:以下はひとつの考え方であり、他の意見を排除するものではありません)

[第一段階] いわゆる初心者段階。実務としての翻訳に慣れていないので、いろいろなミスが出ます。この場合、ミスは訳語のみならず、調べ物の方法、注のつけ方、納品マナーなど広い範囲で生じます。

[第二段階] ある程度量もこなせ、継続的に仕事の受注があり、仕事のコツもわかってきたときは、上記の初心者段階とは異なり、ミスは(出るとしたら)訳語に集中。それもケアレスミスが多い。

つまり、知らず知らずのうちに過信・慢心が生じてきて、それに自分が気づかないというときにミスが出やすくなります。

さらにこわいのは、発注側のチェックが入らない場合。
発注する側の「この人なら大丈夫」という過信?も加わり、ノーチェックでエンドユーザの手元にいく場合はこわいかも(笑)。

機械でも誤作動があるくらいですから、生身の人間、常にノーミスとは限りません。

発注側のコスト削減でチェックを入れないという方針もあるかもしれませんが(?)、どんな訳文でも、最低限ベタ読みくらいはすべきと考えます。

もちろん、上記にも例外はあり、クライアント側の事情(金額や時間)によりチェックを外す場合があるのは言うまでもありません^_^;

[第三段階] ミスの出る確率は低くなりますが、常にゼロとは限りません。やはり、「チェック不要のレベル」でも、可能な限りチェックを入れたほうがいいと考えるのは上記と同じです。

 


翻訳者側としては、どんな段階にいても、過信・慢心せず、ミスのないよう十二分に注意するに越したことはありません。チェックが入るか否かにかかわらず・・・。