翻訳者の散歩道

  ☆ 法律翻訳者の思考のあれこれ ☆
(「翻訳者になりたい人のためのブログ」を統合し「第ⅡBlog〇〇編」と表記)

学歴と適性

2014年01月18日 | 第ⅡBlog【導入編】
(2006年03月14日 | 導入編)



翻訳者になるために学歴は関係ありません。

翻訳はスキルですから。

実は、この点、よく質問されるのです。

特に、法律翻訳をするのに法学部を出ていなければダメか?と聞かれるのですが、全く関係ないです。

翻訳に必要な範囲で学習すればいいのです。


要は、学歴ではなく適性。

適性のある人は伸びますね。

もちろん、何もせずに伸びるわけではなく、本人のやる気と努力が必要なのは言うまでもありません。

もっとも、最初は「ちょっと向いてないかも・・・(笑)」と思った人がその後猛烈に努力して見違えるようになり、こちらがびっくりする場合もありますよ。


こういうときは、いい意味で予想が外れたことになります

裏を返せば、ちょっと見ただけで人を定義づけてはいけない、ということです。これは、翻訳者・通訳者育成にとどまらず、一般的な真理を含んでいるのではないでしょうか。

反対に、いい素質を持っているにもかかわらず、

①努力が嫌い、あるいは、

②自分が期待したとおりに褒められないとすぐ放り出してしまう、

という人は、実にもったいないと思います。

多くの生徒を育ててきて、予想通りに育った人、いい意味で予想を外してくれた人、根性がたりずあきらめてしまった人、などなど、本当に様々な人がいました。

人を育てるって、とても楽しいし、やりがいがあり、私は大好きです。これからも、共に笑い、泣き?、怒って??勉強していきたいと思っています。




留学・海外生活の経験が必要か?

2014年01月18日 | 第ⅡBlog【導入編】
(2006年03月12日 | 導入編)

翻訳者、通訳者になるために留学経験または海外生活の経験は必ずしも必要ではありません。

確かに、留学した人、海外生活が長い人は、英語の読・書・話に不自由がない人が多いでしょう。

特に、会話はうまいし、発音もいいです。

しかし、それが、即、翻訳や通訳ができることにはならないのです。

翻訳、通訳はスキルですから、それなりのトレーニングが必要。



以前、とても長く外国で暮らしていた方が基礎クラスに入ってきました。

ちょっと驚いたのですが、その生徒さんいわく、「先生、確かに会話は不自由ないし、読み書きも大丈夫ですが、翻訳は別です。キチンとできるようになりたいから、習いに来たのです。」

その後、しっかり翻訳の基礎を学んで巣立っていきました(^_^)

 ☆ ☆ ☆

留学経験がない、海外生活の経験がないというだけで、翻訳や通訳で活躍することをあきらめないで下さい。

実際に、留学や海外生活の経験なしに通訳者、翻訳者として活躍している人はたくさんいますから。

翻訳と通訳あなたはどっち?

2014年01月18日 | 第ⅡBlog【導入編】

(2006年03月09日 | 導入編)


翻訳と通訳、どちらでいくか、迷いますね。

翻訳者、通訳者、ちょっと適性が違うと思います。

☆ 翻訳者に向いているタイプ

孤独に耐えられる人(PC相手に一人で作業します)
一字一句、句読点まで細かいところに注意を向けられる人

☆ 通訳者に向いているタイプ

機転がきき、臨機応変の対応が得意な人 
社交性がある人

向いていないタイプは、それぞれを裏返せばいいわけです^_^;

翻訳は、書面で残りますから、「あっ、今のは間違い」とは言えず、細かいところまで注意を注がねばなりません。

これまで、翻訳者、通訳者の生徒さんをたくさん見てきて、やはり適性が違うなと思いますよ。

さて、みなさんは自分でどちらが向いていると思いますか?




翻訳ってどんな仕事?

2014年01月18日 | 第ⅡBlog【導入編】
(2006年03月05日 導入編)



☆ 翻訳とは、どういう仕事なのでしょう?

翻訳者の仕事は、基本的にある言語で書かれた文章を他言語に置き換える(訳す)作業です。

通訳が口頭で行なう作業を翻訳は書面の上で行ないます。

口頭によるか書面によるかの違いはあっても、多言語間のコミュニケーションを図るという点では共通していますね。


☆ 翻訳者にはどんな種類があるの?

大きく分けて、出版系とビジネス系に分かれます。出版系は、本屋さんでもよくみかける外国の書物を訳した本で「訳 ○野○子」と翻訳者の名前がバッチリでますし、印税も入ります(^_^)。仕事のサイクルも数ヶ月間が普通で、いわば長距離ランナーです。

これに対してビジネス系は、完全な黒子で、名前は表に出ません。仕事のサイクルは、数日または数週間というものが多く、いわば短距離ランナーですね。
また、ビジネスといっても分野がたくさんあり、ビジネス翻訳を仕事につなげるには自分の専門分野を決めるのが必須です。

昔は、全般的に広く浅く、という需要も結構あったようですが、現在、そして将来において、翻訳者として生き残っていくには、専門分野が不可欠になります。実際に、昔は需要があった新聞、雑誌などの翻訳は、現在はかなり減っているそうです。これは、日本人の英語のレベルが上がってきた証拠と言われています。

☆ 翻訳というと在宅を連想しますが・・・。

そうですね、そこが魅力かも(笑)

翻訳者の稼動形態は大きくわけて、

社内翻訳者…企業の中の翻訳部等で稼動します。このメリットは資料もほとんど揃っており、文章を書いた人に直接質問ができたり、あるいは、過去の先輩翻訳者が訳した文章を参考にすることができることです。社員ですから、企業の福利厚生にあずかることができます(^_^)。        
派遣翻訳者…派遣会社に登録して、派遣先企業で翻訳業務を行ないます。社内翻訳者と似ていますが、雇用形態がその派遣先の社員になるのではなく、雇用契約が労働者と派遣会社で結ばれます。派遣期間は、短期、長期、それぞれですが、様々な業種の企業で経験を積むことができますね。また、最近は、紹介予定派遣という、派遣から正社員への道が開かれたスタイルも登場しました。      
在宅翻訳者…雨の日も風の日も出かけずにすむ、というもの(笑)。その反面、いつもの日常生活と区別がつきにくくなりますからご注意。在宅は、自分で資料の収集から仕上げまですべてこなすことが前提になっているので、大変です。

どれでいくかは、自分のライフスタイルや現在おかれている環境(例えば、子どもが生まれたばかり等)などによって、決めるのがいいでしょう。