翻訳者の散歩道

  ☆ 法律翻訳者の思考のあれこれ ☆
(「翻訳者になりたい人のためのブログ」を統合し「第ⅡBlog〇〇編」と表記)

江戸小噺考

2006年09月15日 | 歴史

風が吹けば桶屋が儲かる」という江戸小噺をご存知でしょうか?
(注:原作には不適切な表現が含まれており、その表現の使用を極力避けるため修正したため、多少わかり難いかもしれません<(_ _)>)

大風が吹くとほこりがたつ
 ↓
ほこりが目に入って目を悪くする人が増える
 

三味線を弾く人が増える
 ↓
三味線の材料として猫の皮が必要
 ↓
猫が減ってネズミが増える
 ↓
ネズミが桶をかじる
 ↓
桶屋が儲かる

この小噺は、ほんの小さな事象が予想外の大きな影響をもたらすことから、経済や株式投資などにも使われ、相場の格言、お金に関する諺としても載っています。 

ところで、日本の外に目を向けてみると、これに似たものとしてバタフライ効果(butterfly effect)というのがありました。

“北京で蝶が羽ばたくとニューヨークで嵐がおこる
the notion that a butterfly stirring the air in Peking can transform storm systems next month in New York)

桶屋の話に戻って、これは因果関係の相当性の範囲内か、という論理性を求めるのはムリだと思いますね。 

当時の庶民は、人気のあった寄席の講釈のように、ダジャレやこじつけを好んで受け入れ、次から次へと論理が発展していく意外性を楽しんだのではないでしょうか。

何々とかけて、何と解く、その心は?

このなぞ解きは現在でも通用していますし、その少々強引なこじつけ、あるいは、その機知に富んだウィットで私たちの興味を大いに盛り上げていることに皆さんもお気づきでしょう(^_^)