猫 周公のコラム

スケッチとエッセイ

静岡空襲と浅間神社(静岡市)

2010年08月09日 | Weblog

                       

子供のころ浅間神社(静岡市)は遊び場だった。      

浅間神社をいまでも「浅間さん」と呼んでいる。

4月、桜満開の下での浅間神社は、まさに色彩の世界に入り込んだようで

子供にとってはロマンチックな異空間だった。

昼間は色彩豊かな楼門や大拝殿の彫刻を眺めることが出来、夜はサーカス小

屋の前で不思議で妖艶な光景をながめることができた。

サーカス小屋のおじさんが時々中の様子を見せてくれたり、サーカス一座の

少女達が化粧する様子をじっと眺めたりするのだった。

このように子供のころ、浅間さんの中で色彩に触れたり神秘的な体験をした

せいか、幻想的で夢物語的な絵が好きになったのだろう。

この絵は昭和20年・小学校1年生の時に静岡で空襲に合い病弱な母親と一

緒に裏山の賤機山に逃げた時の残像だ。
子供のころに浅間さんで体験した

色彩感覚が忘れられず、10数年前に描いた懐かしい絵だ。