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我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

27-①向け  実践問題 ー文章題その9ー

2015年05月09日 | 文章題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
●27-①対策として、文章題の実践問題を作成してみました。10回程度連載する予定です。ご感想やご意見もぜひお寄せください。
●文章題の回答訓練にお役立てください・・・
 ・ポイント①文意・文脈や(注)から該当する漢字や熟語が思い浮かぶようにする。よく文章と(注)を読んでください。
 ・ポイント②80~90%程度は回答できるレベルだと思います。水準以下だった場合は、他分野の訓練もあわせ注力してください。
 ・ポイント③公開済みの「26-③対策」も依然として有効ですので、復習用にぜひご活用ください。
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●鴎外歴史文学全集 第10巻&第11巻 「北条霞亭」(上・下)より。
●北条 霞亭(ほうじょう かてい):安永9年9月5日(1780年10月2日~文政6年8月17日)。江戸時代の漢学者。志摩的矢出身。
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<文章題その9>
(その九十五)
「・・・霞亭は父適斎の七十の①ガエン(賀 宴 に列せむがために、郷里的矢へ往かむとして、文化丙子(十三年)七月十六日以後に神辺を発した。・・・霞亭の的矢に帰つて適斎のジュエン(寿 宴 に列した時の状況は七古の長篇に写し出されてゐる。わたくしは既に一たび此詩を分析して細論したことがあるから、今復贅(ぜい)せない。此には惟家族の年歯を註して置きたい。「游子 親を省みる日、高堂 寿を上(たてまつ る時。小弟及び一妹、次第にゲンジ(厳 慈 に侍す。」ゲンクン(厳 君 適斎七十、ジクン(慈 君) 中村氏五十二、霞亭譲三十七、碧山 惟長二十二、良助十九、撫松惟寧十五、女通の年紀は不詳である。
 ②ガエン(賀 筵) の壁上には諸家の「秋菊有佳色」の詩歌が懸け列ねられたことであらう。的矢書牘中にも詩箋若干葉が交つてゐる。わたくしは惟河崎誠宇受業録中より獲た茶山の作を抄出する。本集の載せざる所なるが故である。・・・」 (注)*①ガエン:祝いの酒盛り。 *②ガエン:祝賀の席。祝賀の会場
(その九十八)
「・・・文化丙子(十三年)九月十五日に霞亭は省親の旅より神辺に帰り著いた。・・・此書は末に「十月朔」と書しながら、文中には神辺に著いた日を「当十五日」と書してゐる。是は先月十五日と云ふべきを、ふと誤つたものである。・・・次で尼崎に至つて凹巷が辞し去つた。霞亭は此より独行したのである。「一別 今朝 独り 杖藜(じょうれい  」わたくしは上に二字の読むべからざるものがあることを註した。是はカッピツ(渇 筆) にあらず、トショク(蠧 蝕 にあらず、草体の弁じ難きものである。或は「観魚」であらう歟。推するに宇仁館氏の一号にしてわたくしの未だ知るに及ばざるものであらう。・・・」 (注)*カッピツ:かすり筆。書画に用いる語。墨がかすれていることをいう。
(その百一)
「・・・これよりして外、書中の剰す所は二三の雑事のみである。其一。「池上隣哉之詩いつぞ御序(つい でに御返し可被下候。」隣哉の詩とはいかなる作であらうか。誠宇の受業録を閲するに、霞亭の丙子(十三年)に帰省した時、諸友は相会する毎に東恒軒を憶ふ詩を作つた。隣哉に二絶がある。所謂隣哉の詩は或は是歟。「花月楼の作。秋風 此の夕 蕭条ならず、一曲のゲンカ(絃 歌 声飄らんと欲す。縦ひ幽明をして 路 相隔たらしむるも、ジンダン(沈 檀 の一弁 君が為に焼かん。」・・・(注)*ジンダン:いずれも香木の名 ➪ (沈香と栴檀
(その百三)
「・・・書中に霞亭は弟碧山のために作詩のケツ( 訣 ) を語つてゐる。「御詩作随分おもしろく候。さりながら随例賛歎いたし候は不深切なる事也。力を極めわるく・・・」(注)*ケツ:奥の手・奥義。
「・・・最後に霞亭は父にトギ・ドギ(土 宜 を献ぜむとして敢てせぬ事を言つてゐる。「大人様にこの辺のぶり(海鰱)又はさより(鱵)などを差上たく心懸候へども、実はたわいもなきもの、且は諸方へ世話かけ候も気之毒に候故、先差上不申候。いづれ小生参り候節と奉存候。」・・・(注)*トギ・ドギ:その土地の風土に適した作物(特産物)のこと。原本ルビは「トギ」となっている。)
「・・・霞亭の三月九日の書に「度々賀客の筵有之」と云つてある。霞亭の寿詩は「寿茶山先生七秩」と題する五古で、歳寒堂遺稿に見えてゐる。篇中には月を言つて日を言はない。「此の日 ランキ(覧 揆 を寿す。セイヨウ(青 陽 二月初め。」此にはその身分を説いた数句を抄する。「吾が躬( み  姻族を辱(かたじけな くし、知愛 恩を受くること殊(シュ)なり。 コウヒ(皐 比  半席を分かち、禄米 窮厨を賑わす。抃舞して児女を携え、一堂 杯盂に侍す。」妻敬と女梅とを伴つて席に列したのである。・・・」(注) *ランキ:誕生日。楚辞の故事にある語句。 *セイヨウ:春の異称 *コウヒ:もとは「虎の皮」のこと。ここでは講義の席をいう。
(その百四)
「 ・・・霞亭は書中に良助敬助二弟に尺牘のカイシキ(楷 式) 誨(お し へてゐる。・・・」(注)*カイシキ:のり。手本。

<コメント>「読み問題」は問題ないでしょう・・・1問でも間違えたら、もっとこの種の読書をおすすめします。「書き問題」は、「ランキ」と「コウヒ」は超難問でしょう・・・(以前の私のこの本の読書記事を読んでいたら載せておいたので覚えていれば出来たかも)。「セイヨウ」も字は簡単ですが、この種の季節感をあらわす語彙をどのくらい知っているかですね。

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熟語の読み・一字訓読 (その103)&(その104) 懶 懿 懼 戈 戍 戔 戛 戡 扁   

2015年05月09日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その103)です。
<懶:ラン、ものう(い)、おこた(る)、ものぐさ(い)>
・ものう(い)、おこた(る):懶意、懶惰、懶情、懶慢=怠慢
・ものぐさ(い):懶散=しまりなく取り散らかす・無精なこと、懶人=なまけもの=懶子、懶性=なまけるたち・懶惰な性質・ものぐさな性質、懶夫=なまけもの・無精者、懶婦=嬾婦=なまけ女
<懿:イ、よ(い)、うるわ(しい)>
・よ(い)、うるわ(しい):懿行、懿軌=善美な法則・のり、懿事、懿淑、懿恭、懿奐=美しくさかんなこと・立派なこと、懿業=うるわしい業績、懿訓=うるわしい教訓・良い教訓、懿鑠(イシャク)=うるわしくさかんなこと、懿醇=美しく純なこと、懿徳、懿美、懿風=うるわしい風俗、懿和=うるわしくやわらぐ、懿親=美しく(うるわしく)親しみのある親族の間柄=懿戚、懿誠、懿劭=善く美しい、懿臣=忠臣のこと、懿旨=皇后の命令=令旨(リョウジ)  *鑠(シャク、と(かす)、と(ける)、うつく(しい)) *劭(ショウ、つと(める))
<懼:ク、グ、おそ(れる)、おどろ(く)>
・おそ(れる):畏懼、懼怖、懼憚=おそれはばかる、懼怕(クハク?クハ?)*後記追記参照。=おそれおじる、・・・ほか多数あり。
・おどろ(く):駭懼、驚懼、懼然・・・「おそれる」意もあり・・・
<2017.7.20追記>
*懼怕(クハク?クハ?)・・・懼怕(クハ)と読んでいる辞典もあるようである。「怕」は(音による意味分けでは)“ハ”で読んだ方が良いような気もするが・・・当方で調べた辞典(大字源、字通か大漢和)では“クハク”だった。
<戈:カ、ほこ、いくさ>
・ほこ :戈戟、干戈、戈甲・・・
・いくさ:戈兵=兵器、転じて戦争。止戈(シカ)=兵乱をとどめる(「戈(ほこ)を止(とど)む」)、偃戈(エンカ)=ほこをふせる→戦(いくさ)をやめる意味。=戈偃(=休戦)、戈船=軍船=戈櫓(カロ)    *「ほこ」と読める熟語もあり*
・その他(「ほこ」の意ではあるが)戈法、戈脚、戈磔(カタク)=戈波・・・いづれも筆法の名称。
<戍:ジュ、まも(る)、たむろ>
・まも(る):戍衛、衛戍、戍傜、戍役、戍守、戍卒、戍兵、戍邏・・・
・たむろ  :戍所=陣屋・たむろ、戍屋=守り小屋・守備兵のたむろする小屋。 *「たむろ」とは陣屋・屯営のこと。

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●熟語の読み・一字訓読(その104)です。
<戔:セン、サン、ザン、そこ(なう)> *「「戔」は「賊(そこ)なう」也。」*戔は「戈+戈」の象形で相戦うこと。
・そこ(なう):音熟語なし。「戔(そこ)なう」
・その他:戔戔=①物の積み重なるさま(束帛=戔戔) ②数の多いさま(戔戔) ③物の少ないさま(束帛戔戔)・・・
<戛:カツ、ほこ、う(つ)>
・ほこ :熟語なし。「戛、戟也」「戛、長矛也」・・・
・う(つ):戛戛=①物の相うつ音 ②歯で嚙む音 ③食い違うさま=齟齬=戛戛乎、戛雲=高く上って雲をうつ、戛羹(カッコウ)=釜の底をうつ(→故事(既出)あり。「兄の妻・あによめ」を意味する。)、戛撃=楽器を軽くうちならすこと、戛瑟=琴をかきならす=弾琴、戛玉=玉をうつ音 *敲金戛玉、戛磨=うち磨く、摩戛=摩擦、戛然=①くいちがうさま ②金石のうちあう音、また、鶴唳の声(字通では「①くいちがうさま ②高くなりひびく音、また、鶴の声」)
・その他:大戛=大法・のり・かたの意  *「大戛に率(したが)わず」(爾雅・釈言)
<参考>「戛然」の使用例:蘇軾「後の赤壁の賦」「適(たまたま)、孤鶴あり、江を横切りて東より来たる。翅(つばさ)車輪の如く、玄裳縞衣、戛然として長鳴し、予が舟を掠めて西す」
<戡:カン、か(つ)、ころ(す)>
・か(つ) :戡定=勝ちさだめる・乱をしずめる、戡暴=暴乱を平らげる=戡乱=龕暴(ガンボウ)←*龕(ガン、カン、ずし、か(つ))。戡難=国家の危難をたいらげ定める。戡夷=たいらげる・定める   *熟語の中には「征する」意もふくまれているものがある。
・ころ(す):戡殄(カンテン)=敵をほろぼしつくす・みな殺しにして亡ぼす
<扁:ヘン、ふだ、ひら(たい)、ちい(さい)>
・ふだ:扁表(ヘンビョウ)=ふだをかけて表す。
・ひら(たい):扁平(足)、扁簪(ヘンシン)=ひらたい簪
・ちい(さい):扁舟(ヘンシュウ)=小舟。「扁舟一櫂(イットウ)、何処にか帰る」(蘇軾の詩)「扁舟、五湖に浮ぶ」(呉の笵蠡が勾践のもとを去って勇退高踏したことを指す)
・その他:扁額=がく、門戸上に書きしるしたもの。扁善=あまねく善し。扁桃=巴旦杏=アーモンド。扁口魚(=魚の名・鰈のこと)。扁鵲(ヘンジャク)=名医の名。扁鵲倉公(ともに春秋戦国期の名医の名)=扁倉、倉扁とも。耆婆扁鵲。

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