サジッタ&清史郎の部屋

相棒3頭と暮らす馬日記

初めて納得の運動

2006-10-20 09:00:43 | 清兎
明日が全日本学生へ出発1週間前で、残された時間も後僅かになりました。

清兎の課題は日々変化しています。というより、要求レベルが上がりつつあります。

夏の予選前は駈歩を詰めすぎると速歩に失速したり、ハミに抵抗してつんのめったりで、とにかく無難に経路を廻ることだけを考えました。
その中で踏歩変換を行なうためには、かなりはっきりとした正しい扶助を使う必要があり、それによって美子は踏歩変換の扶助が正確になりました。
だから夏の予選前の清兎は、ファリスの練習馬であり、万が一ファリスが故障して出場できなくなった場合には順位云々よりも、総合成績に絶対に必要な馬場馬術団体成績が成立するための頭数合わせの意味がありました。

結果としてはファリスが使えて2位になり美子は全日本学生の権利を取ったのですが、練習馬としての清兎の存在がなければ2位は怪しかったと思います。


人でも馬でもそうですが、調教には停滞時期があり、また成長期があります。
清兎は今が成長期だということを日々の運動の中で感じます。具体的には、速歩運動で不得意だった右手前運動で反抗による膠着が起きなくなった。駈歩運動でハミ位置を安定させることに100%の課題を置いていた状態から、思いっきりバランスバックした収縮の要求に課題を変えることが可能になった、などがあります。

しかし、調教開始からまだ2年が経過していない馬であることは常に意識しています。短期間で学生賞典レベルまで到達できたことには、清兎自体の馬体の柔らかさが大きく寄与しているので、馬の天性が半分、調教者の技量半分だと思っています。
だから基本的には、馬に無理なことを要求しているのだと言うことを認識し、馬にストレスを与えすぎないよう、基本は水勒での運動として大勒の装着には最大限に神経を使うし、運動時間を長くしないで短時間で終わらせ、上手に出来たらその運動は繰り返し行なわないないことを意識しています。


明日は全日本学生に出発前の最後の部内試合です。私が運動に納得できたことと、美子が乗って良い演技が出来ることは必ずしも=ではないのですが、不完全な馬を学生に渡し、心の中では『申し訳ない・・・!!』と思うことが多々あったのに較べれば、一区切りつけられた達成感はあります。

今後の課題は、馬の精神状態によってムラがある現在の状態を、良くても悪くても一定以上の成績がコンスタントに出せるオートマティックな馬に仕上げていくことです。
過去2年間の成長ペースで今後1年間も成長することはありえませんが、もしも1年後であれば全ての運動でもっと安定した状態が維持できる感覚はあります。
ファリスも不完全な馬でしたし、清兎も発展途上の馬。頑張っている学生に、もっともっと質の高い馬を与えてやりたかった。そのためも、もっともっと私自身が上達したいと思うのです。

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