サジッタ&清史郎の部屋

相棒3頭と暮らす馬日記

障害間距離の歩測

2006-10-25 11:30:57 | コーチとして
夏の大会の時、審判員のH岡パパ様が嘆いていらっしゃったことに、

『中四国の学生達は、下見の仕方を知らない。指導者の周りを一団となってバラバラと歩いている。障害間のベストラインを歩かないのでは障害の順番を覚えるだけの下見。関西ではほとんど全員がベストラインを歩くから、下見の終わった場内には1本の足跡がくっきりと付いている。
 そして下見の時に、障害間を歩測し、何歩で馬が走るか把握することは大変に重要で、選手には必ず指示します。』・・・でした。


私は障害が不得手です。だから今でも障害間を歩測なんてしたことが無い。もっとも、レベルが低い競技にしか出ないから、それでも不便さを感じません。
あと、確信的に学生に障害間の歩数を数えさせていない部分もあります。

何故かと言いますと、今から15年くらい前の事なのですが、障害トレーニングにショート・ロング・ノーマルという考え方が導入された頃の経験に拠ります。
当時の指導者講習会の実技では、21m に設置された障害間をノーマルの5歩で通過、或いはショートの6歩で通過・・・等が盛んに行なわれ始めました。特に日体協C級コーチの実技講習で杉谷先生が講師を務められた時など、日本の馬術界の指導者に世界レベルの指導理論を教えなければならないと考えられたのだと思います。
その結果不幸なことに・・・事の本質が理解できない指導者の下では、選手の技量が低く、口向きも悪くてバランスバックすることでストライドコントロールすることも出来ない馬であるのに、『5歩でキッチリ走れ!! ショートにして6歩で走れ!!』などの指導が行なわれました。
結果はどうなったかと言いますと、歩数を数えることが目的となった練習で、人馬は前進気勢を失い、競技では全く通用しなくなってしまった。
このことから、一定以上のレベルに至っていない人馬には絶対に間歩コントロールは要求してはいけないという考え方が私の中に定着しました。

だから私は学生に障害間の間歩を要求しません。『着地したら直ちにバランスバックし元気良く次の障害に向かう。障害の前では最後までバランスバックし、障害の根本に元気の良い駈歩を寄せなさい・・・』的な指導です。だから下見の時もラインの幅は1m程度あります。回転でベストラインの内側に1歩切れ込んでタイムを稼ぐ、ベストラインから1歩大きく廻ったらタイムで負ける・・・、そんなシビアな指導ではないのです。経験の浅い学生が70~80cmのコースをミスなく規程時間内に完走する事を要求するといったレベルなのです。

人に指導する場合だけではなく、自分自身の場合も障害間で間歩を歩測することもありませんでした。それは25年前に学生最後の全日本学生大会で130コースを
走行して以来、大きな障害を飛んでいないし、80や90のコース走行を行なう場合は、正直言って間歩も歩測も必要なかったからです。


しかし、最近ちょっと変化があります。
夏の学生大会で講習会に参加したのですが、【m程度の障害を飛越する場合、障害の11m手前にマークを置き、そこから3間歩で飛越することを基本に練習する】というテーマが出ました。
この距離感は今までの私の感覚では猛烈に遠く、これをクリアするためには走行ペース自体をもう少し早くしなければならなかったし、24mに設置された障害であれば間歩を正確に6歩にした場合が最もバランス良い飛越態勢を馬が取ることが良く判ります。

となると・・・、飛べば良い、落下があっても通過すれば良いという障害飛越から、落下をなくし最も安定した飛越バランスを得るためには間歩の歩測が不可欠であるという、120コースを走行し慣れている子なら、そこら辺の中学生や高校生でも知っていることを改めて体感しているところです。

こんな事を堂々と書くと、『な~んだ、ただの下手っぴ~じゃんか・・・』と思われるでしょうが、社会人になって障害に苦手意識があって、どちらかと言えば馬場系に逃げていた人間はこんなもんです。

だけど、障害馬として育成したいジャリスコがやって来て、そのために清史郎を自分の障害の練習馬として乗り始めた・・・四捨五入したら50の手習い。
馬の状態を整えることは馬場系の運動で完成しているのだし、取り組み始めたら早いかも知れません。

そうすれば、馬場馬術の楽しさは充分に知っているし、これからジャンプの楽しみが加われば、馬人生Wで楽しい!!
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日は救急救命講習会に参加... | トップ | 秋が終わっていくな~ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

コーチとして」カテゴリの最新記事