パソコンを置いている部屋の大掃除をしました。家内のPCもインターネットに接続するため無線ランの装置を取り付けに業者さんが来るから。
ゴミをドンドン袋に詰めていったら、ゴミの下から今年のカレンダーが出てきました。田村先生の筑波ライディング・インターナショナルのカレンダーです。東京のF本さんから何かの時に頂いたものです。
パラパラと捲っていましたが、4枚目の写真で手が止り、食い入るように見入ってしまった・・・です。
外国のカレンダーには馬のものが結構あります。馬場馬術・ショージャンピング・Eventing・・・ですが、馬場馬術の場合はオリンピックや世界選手権といったグランプリクラスの写真が多く、見ていて綺麗、格好良いなどの感想はありますが自分の身近な馬の世界とは思いません。
ところがこの写真は、Lクラス程度の調教段階の写真で、私たちが平素行なっている運動そのものです。
ハミを前下方に引き、背中をしっかり使って後駆が踏み込んでいることが良く判ります。なんでもない写真のようですが、衝撃的な写真です。
このバランス(土台)が出来上がっていて初めて、Mクラス運動である肩内~腰内~横歩へと進んでいけるのです。
先日の関西学生馬術大会でH岡パパ様が下乗りしていらっしゃいましたが、このバランスになるよう、馬を誉めつつ運動していらっしゃしいました。
理想と現実・・・。これは厳しいものがあります。
特に国産のサラブレッドやアングロアラブでは骨格や全体のバランスが中半血馬とは異なりますから、このバランスにはなりにくいと言うことがあります。
私の馬の場合、清兎はア・アといってもアラブ系の特徴を良く表している骨格ですから比較的近いバランスになり易いですが、清史郎の場合は肢も長く、ほとんどサラブレッド体型ですから、馬体全体が沈下したようなバランスは得にくいです。
ただ、調教を行なううえでイメージをしっかりと持つということは重要です。
調教は、人間のイメージを馬に反映させる作業なのですから。
しかし思うことは、この写真をカレンダーに採用した田村先生の思想です。
日本人は基礎を疎かにして高度な運動の行ないたがります。背中の柔軟性が十分で無いのに収縮運動を要求し、結果的にセコセコした運動しか出来ない、後ろ肢が充分に動かないでチョコチョコ歩く、そんな馬が非常に多いです。
馬の調教はそうではないのです。この基礎があって、ここから障害へ、馬場へ、総合馬術へと進化枝分かれして行くものということを、カレンダーを通して訴えていらっしゃるように感じます。
ジャリスコが4歳になったとき、こんなバランスの馬で有りたいですね。