巡洋艦「青葉」の歴史後世に
太平洋戦争中に呉市警固屋沖で大破した1等巡洋艦の青葉の記念碑を建てる計画を、地元の警固屋まちづくり協議会(下中幸司会長)が進めている。碑文は、乗組員だった中曽根康弘元首相(92)が書いた。協議会は9月までの完成を目指して募金活動を始める。
戦時中の出来事を覚えている人が少なくなる中、警固屋沖で戦った青葉の歴史を後世に語り継ぐため碑を作ることにした。記念碑は高さ2メートル近い石碑にし、碑を載せる石台や青葉の説明文を記した金属板も作る予定。設立場所は今後決める。100万円を超す制作費は募金などで賄う。
協議会は、生存者たちでつくる青葉会の西田潔会長(89)=呉市上畑町=を通じて昨年12月、中曽根元首相に碑文を依頼した。
西田会長によると、海軍士官として青葉に乗り込んでいた中曽根元首相は快諾し「除幕式の日程が決まったら知らせてほしい」と喜んでいたという。1月末に「巡洋艦青葉終焉(しゅうえん)之(の)地」と書かれた色紙が中曽根元首相から届き、協議会はこの文字を刻んだ碑を建てる。
全国にいる元乗組員や遺族に見てもらうため、毎年9月に上長迫町の呉海軍墓地である合同追悼式までに完成させる。協議会の吉岡源之理事(80)は「青葉を知る住民も少なくなっている。記念碑を通じて警固屋地区の戦争の歴史をきちんと伝えていきたい」と話している。
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