道端鈴成

エッセイと書評など

Pigeon Watching: 「脱官僚・依存」内閣

2009年11月18日 | Pigeon Watching
脱官僚のイメージに依存して政権を維持する鳩山内閣: かんべえ氏の明察

○テレビの報道番組では、「事業仕分け」を取り上げるとテキメンに毎分視聴率が上がるんだそうです。鳩山政権も普天間で下げた支持率を、連日の仕分け報道のお陰で盛り返しているようです。なんだかんだいって、政治家が役人を怒鳴り散らしている「絵」を見せると、とりあえず仕事をしているように見えますからね。

○事業仕分けが人気になるのは、8月30日の選挙結果から続く有権者の「現状否定」ムードにぴったりだからでしょう。とにかく現状に不満がある。何でもいいから、今までのやり方を変えたい。変えた結果、誰かが泣いているところを見たりすると溜飲が下がる。まあ、昔の紅衛兵の時代の中国みたいなもので、結果として世の中はムチャクチャになるのかもしれませんが、とにかく予算は切らなければならない。

○自民党時代に「ムダゼロ会議」をやっていた人たちの話を聞いてみると、官僚と有識者でいくら頑張っても、思い切った予算カットなどは夢のまた夢なんだそうです。そこは暴力的な装置を作らないと、切るべき事業でもすぐに応援団が出てきてしまう。そういう意味では、事業仕分けという形ができたのは、財務省的には夢のような話ではないかと思います。なにしろ政治家が憎まれ役を買って出てくれて、自分たちは資料を作るだけでいいのですから。

○今頃になって、「仕分けには財務省謹製のマニュアルが存在した」ことがニュースになっているようですが、そんなもの当ったり前じゃございませんか。今の政権は「脱・官僚依存」内閣ではなく、「脱官僚・依存」内閣なんですから。


かんべえの不規則発言  2009年11月18日



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