道端鈴成

エッセイと書評など

仮設住宅に関する二つの記事:国内メーカーを見捨てる民主党政府

2011年06月18日 | 時事
用地不足解消に2階建て仮設住宅 海外製を輸入へ
 東日本大震災の被災地に、海外メーカー製のコンテナ式2階建て仮設住宅が数千戸できる見通しになった。国土交通省が輸入業者を募り、数十社が名乗りをあげた。用地不足のなか、国内メーカー製の平屋建てよりも、効率よく土地を使える利点がある。
 中国や韓国、タイなどのメーカーが意欲を示している。国内製仮設住宅は壁や床を被災地に運んで組み立てるのが一般的。海外製はコンテナごと輸入するので建設に人手や時間がかからない。ただ輸送費が割高なため、1戸あたりの建設費用は国内製と同程度の約400万~500万円する。
 標準的なタイプの2階建て仮設住宅は、台所、風呂、トイレ、押し入れを備え、和室(約4畳)と洋室(約3畳)の2部屋。1戸あたりの広さは国内製仮設住宅とほぼ同じ30平方メートル弱だ。今後、国交省が業者を審査し、岩手、宮城、福島の3県に紹介する。
 各県は早ければ5月に発注し、7月には完成する見込み。県側には「うなぎの寝床のよう」と敬遠する声もあるが、国交省は利点を訴え、数千戸を供給したい考えだ。(朝日新聞ニュース、4月27日)

KBS:仮設住宅はほとんどを韓国メーカーに発注

迷走政権のツケずしり だぶつく仮設住宅、資材の在庫山積 住宅業界が悲鳴
 みなし仮設住宅制度の導入が遅れたことは、住宅メーカーにも大きな打撃を与えた。仮設住宅の建設予定戸数がいきなり減少したためで、震災直後から政府の求めに応じて建設資材を準備してきたメーカーは、行き場のない在庫の山に頭を抱えている。
 「柱や合板からユニットバスまで、1千戸分以上の在庫を抱えそうだ」
 大手住宅メーカーの担当者がため息をついた。
 政府は震災直後からプレハブ建築協会に仮設住宅の供給を要請。必要な戸数は4月上旬、約7万2千戸に達し、専門のプレハブリース業者のほか、通常はプレハブを扱っていない住宅メーカーも含めて、住宅業界が総掛かりで対応した。
 そんな状況がみなし仮設導入後に一変。必要戸数が激減し、約2万1千戸分が宙に浮いた。各社は発注済み資材のキャンセルを強いられ、間に合わない分は大量在庫となった。
 住宅メーカー幹部は「仮設用に通常の住宅資材を短く切断して利用したり、ユニットバスも小型のものを特別に注文したりして対応してきた。今さら通常の顧客向けに転用することはできない」と指摘。「最終的に廃棄処分も考えなければならない」(大手住宅メーカー)との声もある。
 業界側は水面下で政府と対応策を協議している。しかし、政府は「資材調達は業者の責任だ。国費での負担軽減などは一切考えていない」(国土交通省)とにべもなく、業界からは「今後は政府への協力を控えたいのが本音だ」(別のメーカー)との不満が漏れる。(産経ニュース、6月16日)


「お笑い民主党外交」を後押ししたマスゴミと愚民

2011年06月15日 | 時事
 思えば、麻生政権時代、日本で『週刊現代』の政治記者をしていた私は、毎週のように、麻生首相の批判記事を書いていた。「麻生総理、この漢字読めますか? 」「ゴルゴ13を見て外交するなかれ」…。いまでも当時のタイトルが頭に浮かぶが、先週、2年ぶりにご本人を間近で見て、懺悔したい気分に駆られた。菅外交に較べたら、麻生外交には何と華があったことか!  民主党外交に較べたら、自民党外交は何と老獪だったことか!  

 私たちはなぜ、「一度任せてみて下さい」などという甘言に騙されて、民主党に政権を託してしまったのだろう?  この2年間、北京から見ていて、民主党外交の杜撰さ、幼稚さには、一日本人として怒りを通り越して、涙が出るほどだ。

 中国はすでに昨年、GDPで日本を追い抜いた。今後、日中間の「経済格差」は、ますます広がっていくだろう。象徴的な例を挙げれば、5月21日~22日に、温家宝首相が訪日し、第4回日中韓サミットが開かれたが、中国ではほとんどニュースにさえならなかった。2008年暮れに当時の麻生首相が音頭を取って、自らの故郷・福岡で第1回日中韓サミットを開いた際には、中国は大型取材陣を日本に送り込み、華々しく報じたものだ。 

 それがたった3年で、中国からすれば、もはや日本など、目に入らなくなってしまった。それは、一つには、G8(主要先進国)の時代からG20(主要国)の時代へ、もしくはG2(米中)の時代へと変遷したからであるが、もう一つは「お笑い民主党外交」を、相手にしなくなってきているのだ。                               
現代ビジネス 6月13日


ここ二年間の民主党政権下で生じた、基地、二酸化炭素削減、バラマキと財政赤字の加速、尖閣、震災対応での無定見・無責任な対応は国を危うくするような大失策の連続で、政治資金に関する無責任な対応ぶりもひどかった。麻生政権の時には海外にいたので、漢字の読み間違えだの、カップラーメンの値段だの、顔の絆創膏だのを大げさにとりあげた日本のマスゴミのバカ騒ぎには直接には接してなかったが、いったい日本国民は何を選択したのだろう。麻生政権当時の二酸化炭素排出削減目標は鳩山氏のような無茶なものではなかったし、エコカー減税やエコポイントなどはリーマンショックからの回復を助けた。自由と繁栄の弧など一応はビジョンも出した上での戦略的外交も試みた。経済危機の時の1年の短命政権で、それなりの成果というところだろうが、ここ二年間の出鱈目と無惨とは比較にならない。上の記事の著者のように愚かな選択を悔いている人はまだ良いが、いまだにその選択を正当化しようとする人は、要は組合のしがらみなどの個別利害が重要なのか、化石化したイデオロギーやその影響下にあるマスゴミに頭をハイジャックされているのか、自虐なのか変態なのか知らないが本当は日本がダメになることが望みなのか、あるいは、これらの複合ということなのだろう。