道端鈴成

エッセイと書評など

Pigeon Watching:沖縄訪問

2010年05月05日 | Pigeon Watching
鳩山首相が5月4日に沖縄を訪問した。何を今更という感じだが、防衛大臣も外務大臣も、沖縄担当大臣の同行もなしの単身での訪問だ。

かんべい氏は5月4日の日記でこう書いている。

○鳩山さんは今日、総理大臣として初の沖縄入りとなりました。文字通りの単身、という点が気になります。本当であれば、外務、防衛、沖縄担当の3大臣くらいは雁首をそろえて、一同神妙に沖縄に同行すべきと思うのですが、岡田外相はアフリカ、前原沖縄担当相はベトナムに行ってしまっている。この間、官邸とはどういうやり取りがあったのか。岡田さんや前原さんは、すでに気持ちは「5月政局」後に飛んでいるのではないか、と疑いたくなります。

○おそらくこの謎解きは簡単で、鳩山さんもこの連休はNPT見直し会議のためにニューヨークへ飛ぶつもりだった。でも、5月末まで日にちもないから、そろそろ沖縄入りしておこうか、と急に決めたのでしょう。いかにも「アリバイ作り」という感じで、この辺の段取りの悪さがいかにも鳩山政権です。「もっと早く行っとけよ」、あるいは「わざわざ観光客で混む時期に来るなよ」と思いますがな。いかにも自分のことだけで手一杯で、他人のことまで気が回らない、といった風情です。

○どうやら今の官邸や与党内には、鳩山さんを支えようとしている人がほとんど居なくなっている。たしかに「普天間問題は自損事故」(佐々木東大名誉教授)であるから、周囲から人が去っていくのも分からぬではない。しかし、このまま皆で生ぬるく見守って、5月末まで総理大臣を裸の王様にしていていいのか。ちゃんと引導渡して、政府としての格好をつけろよ、と歯がゆく感じます。

鳩山氏の沖縄での発言も、明確な公約違反の誤魔化しの試みなど相変わらずの鳩山流だったが、抑止力に関する自己のお粗末な認識のトホホな追認など、愚直を自認し、なにがし得心するところでもあったのだろうか、あっけらかんと率直になった感もあり、それはそれで認めたいが、その分、政治家としての底が割れているのをあからさまに露呈していて、愚かな私を慈しむのは、政治家としての責任をとって引退してからにしろよ、愚かな指導者の紆余曲折と試行錯誤に翻弄されるのは国民として迷惑だからと言いたくなる。

沖縄生活の経験があり基地問題にも詳しいfinalvent氏は5月5日の記事で鳩山首相の発言を紹介し論評を加えている。

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