道端鈴成

エッセイと書評など

中国の移植犯罪

2013年12月15日 | 時事
  「新唐人テレビ」は、中国共産党から迫害を受けている法輪功(ファールンゴン)系のメディアである。事実に即して余計なレトリックを弄さない冷静で理性的な報道ぶりで、中国共産党系のメディアとは対照的なスタイルである。コントはやや理に勝ちすぎているかなという感じだが、「銀行強盗」など結構面白いのも多い。「運勢占い」は、江沢民をネタにして、独裁者批判の定型のジョークを使っているが、法輪功迫害の首謀者に対するものだけに、もはや冗談もにならない感じだが。
 新唐人テレビの12月14日の記事(「中国の臓器狩りを譴責 欧州議会で決議案通過」)では、12月12日、フランスのストラスブールで開かれた欧州議会本会議で、中国の臓器狩りの停止を求める決議案が通過し、決議案は、欧州連合(EU)の加盟国にも中国共産党のこの行為を公に非難するよう呼びかけていることが報じられている。
 中国における臓器狩りはカナダの人権派弁護士マタスやカナダ政府元高官のキルガーなどが中心になって、ずっと追求してきた、現在進行中の最悪の人権侵害である。北朝鮮での、No2の失脚・処刑の報道に我々は驚いて、米政府は「政権の極度の残忍性示す」と非難したがそのレベルではない。最近になって、マタスやキルガーなどの本の日本語訳(「中国の移植犯罪 国家による臓器狩り」(マタス・トレイ著、自由社)、「中国臓器狩り」(マタス・キルガー著、アスペクト)も出るようになったが、NHKを初めとする日本のメディアではほとんど報じられない。今回の欧州議会の決議も同じ扱いのようだ。
 キルガー氏は、昨年10月には来日し、メディアでは全く報じられなかったが、中津川議員の司会により衆議院会館で報告会を開催した。キルガー氏はその後、韓国に渡り、マタス氏と合流した。しかし、両氏の記者会見は、中国共産党の圧力に屈した韓国政府によってキャンセルされた。

 
 
 
 

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