午前中に外で遊んでいた息子が、お昼を食べに帰ってきました。
手には、きれいに包装されたカステラを持っています。
聞くと、
「この間、家の前でキャッチボールをして遊んでたら、
隣のマンションの女の人に近くの広場で遊んだらって言われて、
広場に行ったんだけど、そこはボール遊び禁止で遊べなかったの。
そのことを後でその人が知って、ごめんねって俺と友達にカステラをくれた」
と言います。
何だかとっても申し訳なくなって、
その方の名字を頼りに息子と一緒に部屋を探しました。
どきどきしながらチャイムを押すと、やさしそうな女性が出ていらっしゃいました。
そして
「私も子育て経験があるので、もっと広い所でのびのびと
遊ばせてあげたいという親心で広場を教えてあげたのよ。
でも、広場は遊んではいけない場所だったのね。
家の前を追い出したかったわけではないのよ。
君の心を傷つけちゃってごめんなさいね」
とおっしゃいました。
謝るつもりで訪ねたのに先に謝られてしまい恐縮。
ちっとも傷ついていやしない息子を横目で見ながら、
「いえいえ、とんでもない。うちの子が、うるさくしてごめんなさい。
それから、いつもうちの子たちに声をかけてくださってありがとうございます」
と頭を下げました。
午後からも、息子は外出。今度は友達数人と公園へ。
帰ってくるなり、
「かあちゃん、怒る?」
と聞くので、今度は何?と思いながら、
「それは聞いてみないとわからないな~」
と息子の目を見ると
「先生んちで遊んできた。だって、この間、先生が遊びに来ていいよって言ったから。
家の中を探検して、めっちゃ楽しかった~」
子どもたちの辞書に「社交辞令」という言葉はないらしい。
でも、ほっとしました。
怪我させたとか、怪我したとか、何かを壊したとか
大きなことではなくて、よかった~
何より無事に帰ってきてくれて、よかった。
でも突然に大勢でよそのお宅におじゃまするのはNGです。
しかも、どろんこで・・・。
お友達の家なら、お互い様でいいのですが・・・。
「言い出したのは誰?」
と聞くと、
「俺」。
うん、納得。いかにも考えそう。
先生にお電話をすると、
「うちは、いろんな子たちがいつも来るから大丈夫よ~。
だめな時は追いかえすから、またいつでもいらっしゃいって言っておいてね」
と温かいお言葉。
私が子どものころはもっと自由に走り回っていましたが、ずっと昔の田舎のこと。
今の時代、しかもちょっと都会で、どこまでが許されるのか、そして危険ではないのか、
見当がつきづらく、ご近所さんとの情報交換や日々の暮らしの中で、
子どもとの約束ができていきます。
わが子が何をしているかを知って、注意するのは親の責任です。
でも、こうして一緒に子どもたちを見守ってくださる方々がいらっしゃるのは、
本当にありがたいことです。
私自身も「東京タワー」のオカンのように、
どの子に対しても、あったかいオカンでいられたらな~と思いました。