日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
お気軽にコメント下さい。

【映画】アリスとテレスのまぼろし工場

2023-11-01 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 異世界、と言うかパラレルワールド?に閉じ込められた人々の絶望と希望を、14歳の少年少女たちを主人公に描いた作品。

 脚本・監督は「秩父三部作」など実績の多い岡田麿里で、そう言えば確かにそうだと思う、何かに縛られ動けず自由を渇望する若者の姿を描いた作品と言うスタイルには共通する部分を感じる。鬱屈感で息苦しい作品なのは当然のことか。その舞台描写は素晴らしい。細かく描き込まれた、主な舞台となる製鉄工場プラントの巨大さと繊細さ、輸送鉄道の設備や車両の重厚さと使い込まれた感じ、陽射しの角度による陰影の変化、新海誠作品でも感じたリアル感があった。

 本作のエンディング曲「心音(しんおん)」を歌うのは中島みゆき。久しぶりに聴いた気がしたが、みゆき節全開。ただ、もともとお婆ちゃんっぽい声質だなと思っていたのがすっかり進行してしまっているのがちょっと寂しい。そりゃ御年71歳だもの。ツボを心得た瀬尾一三のアレンジ、こちらも御年76歳。全盛期から二人を知っている者には、落ち着けるサウンド。

 ところで、本作は国内あちこちにモデルがある。舞台となった町は釜石市だろうと、地形から容易に想像がつくがそれ以外にも埼玉県のあの山とか、奈良県のあの鉄道橋とか色々とある。そんな中で特に気になったのは、登場するディーゼル機関車。日本にこんな車両あったかなと思うほど特徴的なスタイルで、ちょっと調べたところやはりアメリカに出自があった。うーん目が肥えてるな自分(笑)。詳細に調べたマニアのサイトも既にあり、その努力には敬服だ。

 観に行くのが遅くなり、公開最終週に滑り込み。ネットで様々な評価や岡田監督の評伝を読み、暗そうでちょっと気後れしていたのだが、確かに楽しい作品ではなかったが、良い作品だと思った。

 2023年10月25日 川崎・チネチッタにて

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« (Live)日吉大雄 「Hapopy Luc... | トップ | 2023年10月26日 【ハイク】駅... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本・映画・展覧会」カテゴリの最新記事