カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

父親たちの星条旗

2006年11月20日 21時31分59秒 | 映画 / MOVIE
クリント・イーストウッドが監督した戦争映画。
昭和20年2月19日の硫黄島上陸からの戦闘を描いている。

作品は2本あり、アメリカ側の視点で描いたのが、
この「父親たちの星条旗」であり、
日本側の視点で描いたのが「硫黄島からの手紙」である。

まず、硫黄島(いおうじま)の位置だが、
東京から約1250Km、小笠原諸島父島の南約280Kmで、
東京からグアム島との中間くらいにある。

島の大きさは、約22平方Km(東京都北区とほぼ同じ。)、
形状は摺鉢山を要として北東に広がる扇形の地形で、
島の周囲は約22Km、北東~南西の長さが約8.3Km。

           

私は戦争を知らない子供たちの一人だし、
周囲に戦争に行った人もいないため、この硫黄島での戦闘が、
どれほど残酷で悲惨な物であったかについては、
映画を観て初めて知ったのだった。

それは言葉では表現できないほどの戦いだった。
まず、暑さと硫黄の匂いで戦う前に、
病に倒れてしまうほどだったらしい。

それなのに、日本軍は硫黄臭い地中に穴を掘って立てこもり、
36日間も抵抗したのだから、物凄い。
結局、日本軍20,129名、米軍6,821名が戦死し、
負傷者は、日本軍1,020名、米軍21,865名であった。

           

「父親たちの星条旗」は、硫黄島にアメリカ国旗を掲げた6人のうち、
生還した3人の中の1人が死に向かい合った時から始まる。
そして、彼の息子が遺品の中から、
当時を記す物を発見し、関係者を取材する形で回顧して行く。

あの国旗掲揚が写真となって新聞の一面を飾った事により、
アメリカ国民の士気が高揚し、戦争に勝てる確信を得た事。
そして生還した3人が感じる「英雄」と呼ばれる事の違和感、
戦争の資金集めに利用されていく様子などが描かれている。

また、この写真が2度目の掲揚シーンであった事や
映っている人物と家族のたどった人生が、
必ずしも幸福でなかった事もありのままに写されていた。

アメリカ側からの視点で描かれているのにも関わらず、
決してアメリカのいい所だけをピックアップした作品ではない。
カッコ悪い所も同じくらいスポットが当てられている。

また日本軍が最初から死を覚悟して戦い、
玉砕してゆく様子に胸が痛くなった。
この映画を観て、来年の8月15日からは、
黙祷する時の自分の気持が違うように思う。

硫黄島の星条旗

文藝春秋

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なお、「硫黄島からの手紙」は、12月9日から公開される。
コメント (8)
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