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雑感や書評など

塩野七生「ローマ人の物語 (18)」

2005-09-19 09:19:35 | 書評
男の夢



塩野七生「ローマ人の物語 (17)」に続いて、18巻を読んでいます。
感想は以前と同じ。
おもしろいけど、ちょっと浅いかな? てな感じ。


本の内容としては、ティベリウスの晩年と、カリグラの短い治世について。


で、義務感が強く、非常に有能であったものの、官僚的な治世しかできなかったティベリウス。
そのため、非常に不人気であり、数々の伝説をつくられてしまったのだが、その例。
 第一に、酒飲みであったこと。葡萄酒を水や湯で割って飲むのが普通であったギリシア人やローマ人にしてみれば、ストレートで飲むのを好んだというだけで、大酒飲みにされてしまう。飲む量も、多かったようではあるけれど。
 第二は、淫猥な性行為を発明し、実際にさせたこと。各地から集めた少年少女たちを、少年と少女のチーム別に分け、それにこの道の達人を一人ずつ付け、この三人にティベリウスの見ている前で性行為を実演させるのである。チーーム別に分けたのは、各チームはそれぞれ体位のちがう性行為を行うことが課されていたからだった。この目的は、スヴェトニウスによれば、ティベリウスの衰えた性欲を刺激することにあったという。
 第三は、総面積ならば七千平方メートルもある敷地内の森や洞穴のあちこちに、牧神や妖精に扮した少年少女たちをかくし、ティベリウスがそこに行くと、その前で彼らが性行為を実践して見せるという趣向を発明したというのである。総面積七千平方メートルというのは事実だが、しかし、あの地には森も洞穴もない。樹立ちぐらいはあったにしても。
 第四だが、ティベリウスはとくに幼い少年少女たちを選び、自身はゆったりと広いローマ式の浴槽に身を沈め、彼が「小さな魚たち」と呼んだこの幼児たちに、股の間を泳がせては、「魚たち」の舌や歯で性器に触れさせては愉しむという快楽である。そのうえ老いてもティベリウスの性欲は盛んで、神々に犠牲を捧げる祭儀をあげていたとき、それを手伝っていた奴隷の美しさに魅かれ、犠牲式も終らないのに別室に連れこみ、そこで性行為におよんだこともあったという。
 そして、これらのティベリウスの淫行の犠牲者たちは、役目が済めば海抜三百メートルの崖の上から海に突き落とされるのが、一人の例外もない運命であったとは、現代のナポリっ子までが信じこんでいる「ティベリウス伝説」であった。
塩野七生「ローマ人の物語 (18)」73~75頁 新潮文庫
今では、あくまでも「伝説」として一笑に付されているそうです。

これらの淫行は、当時のローマ男の夢が仮託されているのではないだろうか? と作者は書いております。

「小さな魚たち」かぁ…………。あんまり楽しくなさそうだなぁ…………。


ABC(アメリカン・バカコメディ)振興会では「金髪ギャルの双子とXXXするのは、昔からアメリカ男のファンタジーって言われてるんだよ」と書かれております。

うーむ。
あんま、楽しくなさそうだなぁ。

と言うか、一度に二人も相手をするような、そんなに自信がないし、特定のパートナーがいない現状では、双子と言わず、一人でいいので、お願いしたい。


ローマ人の物語 (18)

新潮社

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