若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

たべもの屋さんというお仕事

1999年07月09日 | 業界人進入不可
つい、最近の話。小学校に上がる前の子供たちに「大人になったらなりたいもの」を尋ねたアンケートの結果、男の子の第3位・女の子の第1位が「たべもの屋さん」だったそうだ。

時代は大きく着実に変化しつつある。「食」の世界は魅力的で、憧れがある世界なのだ。そりゃそうだ。世の中がハイテクノロジー化して行けば行くほど、それに比例してハイタッチ(ふれあいの世界)が求められてゆく。アルビントフラーが20年以上前に指摘した通りだ。

我々が日に3度行う聖なる儀式はこれからも永遠に続き、その行為そのものはどんなにハイテク化した世界であれ変わる事はない、ふれあいが支配する行為だ。そのことを未来そのものである子供たちは感じ取っているにすぎない。

だから僕は「たべもの屋さん」を心から尊敬している。
彼らは、聖なる儀式を執り行う崇高なる司祭なのだ。

僕が多くの自戒を込めていつも言っているのは、(この「一献一会」のインデックスページに述べている通り)酒の味を決定付ける最大の要素は、そう、誰と飲むか、なのである。

何処で、いつ、どんな風に・・・それらを望む通り、最高の演出をする「たべもの屋さん」はそう多くあるわけではないが、我々にはそんな癒しの場が必要なのだ。

だから、妻と仲直りするには、素敵な「たべもの屋さん」に連れてゆくのが最良の方法なのである。もちろん、そこに若竹屋の酒が置いてあれば言う事は何もない。

1999.7.9

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