オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

天国はまだ遠く

2006年11月01日 23時34分24秒 | ほぼ、文庫本
天国はまだ遠く/瀬尾まいこ/新潮文庫
キーワード/自殺(未遂、いや寧ろ失敗)、日本海側、民宿、23歳女、30歳男、一泊1,000円、釣り、鶏小屋、みかん、蕎麦打ち

この人(作者)の名前は、どこかで目にしたり耳にしたりするようになって久しく、そのうちに読むかもしれないなと思っていて、その機会が巡ってきた、て感じ。…つうか文庫本で見つけたって話なんだけどさ!(身も蓋もない…)

作者である瀬尾まいこさんは、多分今も、京都北部の地方都市(か地方の町)に住んでいて、中学か高校の先生で、つまりは作家のほかに職業を持つ人。
え?言い方に敵意が感じられる?は、は、は、そりゃ気のせいですよ、お客さーん!…とは言わない(おい)。でも別にあからさまに敵意をむき出しにしているのでもない。嫉妬?いやいやいやそんな滅相もない。ごまめの歯軋りってやつですよ、旦那!

ま、こう言っちゃなんだが、昨今ありがちな、自己再生の話ですな。

ただ、その風景の描写がなんだかこう、なんていうかこう、身近な感じがしてな。
それはたとえば、この作者が京都の北部に住んでいる(明らかにこの本を書いてる時は住んでいた)ってことで、こっちがすでに親近感のスイッチが入ってたのもあるだろう。
だけど、それだけじゃなくて、たとえばおいらが小さい頃に毎年毎年海水浴に行っていた、若狭和田の浜や民宿やその周りの風景、墓参りに年に2回ほど行っていた綾部の街、まだ苗字が変わる前に行った経ケ岬、結婚してから釣りに行った宮津あたりの浜、海自の船を見に行った時の舞鶴の街、城崎温泉…。
おいらにとって日本海側の風景は、結構ひんぱんに目にする風景でもあったから、そらあんた、身近な感じもするわいな、てなもんで。

話としては、まあ、ねえ、悪くないんですよ。ものっそ(=ものすごく)やる気のなさそうな民宿のおやじ(ってもおいらよりは年下だよ…げーん…)がおいらは嫌いではないし、主人公であるところの女よりも、こっちのおやじ(だからおいらよりは年下ですってば)を追っ掛けて読んでましたからね、ええ。あと気前よくみかんをがば!とくれたのに、お返しに持っていった鶏をあっさりきっぱり拒否するばあさんとか、そうそう多分いそうやなこういうばあさん、と思いましたもん。

つまりはこの本は、話の筋はいいんですどうでも(うわ)。
だってそんなこと言い出すと、なんでそもそもこの女は自殺の旅に出るの、とか、そんなとこで長期滞在したからって、自殺を思い止まることが出来るの、普通?とかツッコミたいところが山盛りです。
んな些細なことよりも、話の筋以外の文章を読む本、だと思うんです。言い方は乱暴ですけれどもさ。

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