青空と紙風船

就労サポートセンター紙風船の日常をBlogでお伝えいたします

人生の門出

2016年09月10日 | 就労訓練

実は、8月に5名の方が紙風船を退所されました。

それぞれの次のステップへと進んでいきました。

 

 

特に8月31日は、3名の方が退所の挨拶をされ、しんみりとしてしまいました。

もちろん、就職という次のステップですから嬉しいことです!

 

それでも、私は紙風船に来た当初から比べると考え方が少し変化してきました。

就職がゴールではないという事は最初から変わっていません。

就職することももちろん大変なことですが(特に病気や障がいを持ちながら働くことは、本当に大変な事だと思います)、「仕事を続けること」には困難さがあります。

ですので私たちスタッフはここで繋がりが切れるのではなく、これからも関わりを続けていきます。

 

また、今回あるメンバーは「自分のこれからの人生において何を一番大切にしていきたいか」を考え、ある決断をされていました。

今までは、自分が仕事に就けること、仕事を続けていけることが一番でした。

けれど、これからは一番が仕事ではない、という決断です。

「仕事もしたい気持ちはあるけれど、それよりも家族と共に協力して家事などおこないながら暮らすことを一番大切にしたい。」と。

 

一番大切にしたいことも、それ以外の事も、本当はどれも大切。

どれも大切だけれど、全てをとることはできない。

自分自身をよく知っていく(自己理解を深める)中で、気づきを得、そして選択されたようです。

そういった大切な決断の時期に共に過ごしたこと、そして一緒に話し合いながら進めていけたことはとても嬉しいことです。

 

生活も仕事も順調に進んでいけることは、もちろんとても喜ばしいことです。

でも、何か困ったことがあったとき、

どうしたらよいかと、ちょっと立ち止まりたくなったとき、

「紙風船(スタッフ)に話してみようかな」と思ってもらえる私たちでありたいと思っています。

 

 

そういえば以前に、「どうせ答えはくれないでしょ?」と言われたことがあります。

確かに。

答えは、わからないのです。

でも、迷って困ってどうするかは一緒に考えます。

迷って困って決めた道がうまくいかないこともありますので…

その時は別の道をまたチャレンジしてみようと思えるまで、その方の近くでぶらぶらしています。(比喩ですよ、もちろん。)

ちょっと声かけてください。

きっと、なんとなくぶらぶらしながらチラッと横目でみているかもしれませんのでお許しを。

 

 

9月最初のりふれっしゅ講座で、いつものように「気持ちのたなおろし(≒嬉しかったことやつらかったこと、印象に残ったこと等この一週間を振り返って気持ちを吐き出すようなこと)」をおこないました。

その時に、メンバーから尋ねられました。

「いずみさんの印象に残ったことは何ですか?」

「今週は、やはりメンバーの退所です。」とお答えしました。

「本当に嬉しいけれど、少し、イエイエ…とっても寂しさも感じています。」と言ってしまいました。

何人か頷きがあったり、「私も寂しいです」と思わず言葉に出るメンバーもいらっしゃり、ここでもちょっとしんみり。

講座の後にも、何人かは退所されたメンバーに対しての感謝の言葉や寂しい気持ちを聞かせてくれました。

こうやって、嬉しさ・悲しみ・焦り…時には怒りなど自分の感情を感じて、知って、表現し、そして整理できることはとっても大切な事。皆それぞれに自分の感情とうまくつきあっていけるといいですね。

いずみまさこ

コメント
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