順調な戦いを続けているマンシャフトだが、またも試練が訪れる。ボクツ、コーワン、杉下の3人がまたも代表招集を受けたのだ。
そして、3月3週後半。またも、ヴァントがとんでもないことを考えていた。
「何ですって、オーナー。ドイツ3大DFの1人、ゲルゼンキルヘンのマティアスを獲ろうというのですか?!」
スカウトのパウル・ヘルトがマティアスを選手リストに掲載していたのだ。29歳とサッカー選手にしては高齢なのもあるが、移籍金は22億5000万円と比較的安い。ここ最近では、マンシャフト、SCベルリン、ゲルゼンキルヘンと3大DFが所属する3クラブが毎年のように優勝争いをしていたのだが、その関係が崩れるかもしれないのだ。
「ドイツ人選手だけで欧州の頂点を獲るなら必要な選手だ。バウアーにとっても大きな助けになるだろう」
ヴァントはクリズペラにマティアスを獲得するようにメールを出した。
そして、第25節はSCベルリンと今季3度目の対決。首位攻防戦ともなるわけだが、その勝ち点差は11にまで広がっていた。ここで勝てば初のリーグ連覇は濃厚だが、負けると分からなくなる。だから、今季リーグの重要なヤマだ。
ボクツは軽度の疲労でスタメンを外れ、コーワンが入る。
試合はマンシャフトが押すのだが、リーグ9失点と固い守りのSCベルリンから得点を奪うことができない。35分にカウンターからワルサーにシュートを決められて先制されてしまう。それでも、後半もマンシャフトが押していた。
71分、CKからラーツが頭で落とすも、GKカフカに抑えられる。
「今年もマンシャフトに優勝されてたまるか。俺たちが逆転優勝するんだ」
ゼルベルガー(SCベルリンの守備は、レアル・マドリードよりも上かもしれない)
ドイツ1部リーグ第25節
マンシャフト 0-1 SCベルリン
(得点) 35分 ワルサー(SCベルリン)
結局、SCベルリンの守りを崩すことはできず、リーグ2敗はいずれもSCベルリンからだ。これで通算でSCベルリンに10敗目を喫してしまい、これまでのシリーズを通じても、ライバルクラブからの10敗目は初。
翌日、ヴァントは遂にマティアスと契約。4年契約、年棒2億5500万円で契約した。移籍金は22億5000万円。
レアル・マドリードとのヨーロピアンリーグ第2戦はホームで行われる。
先制したのはレアル・マドリードでバステンがグラウンダーのパスをダイレクトで押し込んだ。マンシャフトも猛攻からバウアーがヘッドを叩き付けてゴールを決めて1-1。前半は互いに神の領域の選手がゴールを決める。勝負は後半へ。
後半立ち上がり、レアル・マドリードはハビ・ゴンザレスがエリア内まで切り込み、ラーツがプレッシャーをかける。それでもシュートを打たれるが、僅かに逸れて助かった。
次の1点が勝負なだけに、両者の動きが激しくなる。
ゼルベルガー(気持ちで負けるな。ここで1点取るか、そうでなくても守り切ればベスト8だ)
ヨーロピアンリーグ1回戦HOME
マンシャフト 1-1 レアル・マドリード
(得点) 10分 バステン(レアル・マドリード)
22分 バウアー(マンシャフト)
試合は1-1から動かず、マンシャフトが1勝1分けで初のベスト8進出。クラブ最高成績を更新した。