博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

国家によるテロル

2017年04月19日 | 時事

(昨日の続き) 

 中国政府が1997年に刑法の反革命罪を国家安全危害罪に改訂したことによって、より恣意的な法律の運用が可能になったという論文を読みました。中国は既に30年以上にわたって資本主義化を進めているので「反革命」という名目で国民を取り締まるということが難しくなっているという背景があったと書かれています。

こちらがソースです。⇒http://ci.nii.ac.jp/els/110006155278.pdf?id=ART0008123770&type=pdf&lang=en&host=cinii&order_no=&ppv_type=&lang_sw=&no=1492770799&cp=

 「反革命」というのは共産党一党独裁への挑戦という政治行動であって、本来、それ自体は中国でも旧ソ連でも犯罪行為ではなかったのでした。その政治行動の中で、人を殺傷したり、公共物を破壊したり、爆弾を破裂させたりといった行為を行えば処罰されるということでした。ところが「反革命罪」という概念を作ることによって、違法行為のある無しとは無関係に個人の意図や意思を取り締まりの対象にすることができるようになったのでした。1922年にこれが制定されてから1953年までの間に一千万人近いソ連人が恣意的に命を奪われることになったのでした。

 少数のテロリストを恐れたことによって、旧ソ連国家自体が巨大なテロリストに変貌したのでした。この表現は私が中傷のために表現しているのではありません。ソ連国家自身、反革命罪による取締りを「赤色テロル」と称して誇っていたのでした。

 テロの脅威を考えれば共謀罪もやむえないという方もいらっしゃいますが、これは小悪魔を恐れて大悪魔を呼び出すという結果を招く危険性が高いと思います。


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