
木星と火星の間を公転する準惑星ケレスにも「氷の火山」があるそうです。上の写真はNASAのメインベルト小惑星帯探査機ドーンが2015年12月に撮影したケレス表面にある「アフナ山」の写真(注)です。写真中央のぽっこりと盛り上がった台地がアフナ山です。アフナ山は高さが4km、直径が20kmほどあり、山の斜面には炭酸ナトリウムが存在しているそうで、塩水と岩の混合物が天体内部から上昇したことで形成されたとみられているそうです。この山が形成されたのが約2億年前と推定されるそうです。しかし45億年前に形成されたと見られるケレスは直径が千キロに満たない小さな天体で火山の熱源となる地熱はとっくの昔に冷え切っていたはずなのです。しかし、つい2億年前(地質学的には2億年前は「つい最近」のことらしいですよ)まで地熱があったことになり―と言いますか現在も地熱が残っているようなのだそうです。木星のガリレオ衛星であれば巨大な主星木星がもたらす潮汐力が地熱の熱源になるのですが、ケレスにはそのような主星が存在しないのです。多くの宇宙科学者が、このケレスの地熱の謎に取り組んでいます。ブログ主はケレスに放射性物質が大量に埋蔵されていて、その崩壊熱が熱源なのではないかと思っているのですが、さてどうでしょうか。このケレスは人類が現在の航空宇宙技術で辿り着けそうな天体で、ブログ主はとても興味深く感じる天体です。
(注)写真資料出所 https://astropics.bookbright.co.jp/ahuna-mons-seen-from-lamo