博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

白内障薬物療法の可能性

2022年08月31日 | 科学
 私が前回の左目の白内障手術から、今回の右目の手術まで11年間もの間を空けてしまった理由の一つに、手術によらず薬物で白内障を根治できる可能性が見えたからです。日本経済新聞の2016年5月24日の報道によりますと、米国の創薬ベンチャー企業アキュセラ社が、2017年から白内障治療薬の臨床試験を始める予定という報道を行っていたのです。同記事によりますと、同社は別の創薬ベンチャーから、「ラノステロール」という白内障治療薬の候補物質を取得し、一部の国を除いて各国で新薬を開発できる権利を得たということでした。「ラノステロール」は元々人体内にある物質で、コレステロールなどの材料になる。このラノステロールには水晶体がにごる原因になっている、たんぱく質の固まりをほどく作用があることが分かったというのです。米カリフォルニア州立大学サンディエゴ校が実施した動物実験では、重い白内障にかかったウサギやイヌで、眼のなかにある水晶体のにごりが解消されたことが確認された。この結果を踏まえ、アキュセラも年内に動物実験を実施したうえで、2017年からヒトを対象にした臨床試験を始める計画ということでした(注)。この記事を読んで、もしかすると右目は手術をしなくても良くなるかもしれないと期待したのでした。しかし、6年経っても音沙汰がないので、どうやら進展していないようで残念です。調べてみるとラノステロールは点眼ではなく眼球への注射で投与するようなので、いずれにせよ痛い思いはしないといけないようです。超高齢化の進展を考えますと白内障の患者は増えていくことは確実なので、この方面の研究が進むことを、引き続き期待しています。
(注)日本経済新聞の記事はこちらです。
⇒ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO02662820T20C16A5XM7000/

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。