今回の衆院選挙結果で、私が最も衝撃を受けたのは、自民党が、結果として国民の信任を受けたということです。選挙のつい十日前に、安倍自公内閣の法務大臣だった河井克行被告が1審の東京地方裁判所による懲役3年、追徴金130万円の実刑判決が確定したばかりでした。法務大臣だった人物が刑法犯として実刑判決を受けるという途方もない不祥事が発生したにも関わらず、そのような人物を輩出した自公内閣が全く無傷で選挙で過半数を取るなどということがあってよいのでしょうか。安倍元総理の当該事件への関与の実態はここでは問わないとしても、それでも内閣首班としての任命責任は問われなくてよいのか。疑問はあとからあとから湧いてきます。自民党に投票した方々はどう思っているのでしょうか。何の問題もないと本当に思っているのでしょうか。一方で、2016年のURをめぐる口利き疑惑の甘利自民党幹事長は選挙区では票が取れなかったという事実もあり、必ずしも有権者が腐敗を良しとしている訳でもないことが分かります。
河井被告の実刑が確定した以上は腐敗が実在したことは動かせない事実となっています。政治の腐敗は放置すれば社会にモラルハザードを蔓延させます。大海を行く日本国という大船の船底は腐朽し、いつ底が抜けるかわからないという恐ろしい現状に私たちはいるということです。