車のあるうちにと,借りているトランクルームの整理をした。松本の家屋敷を整理したときに,役に立ちそうなものを運んできて,狭いマンションには収まらないものを入れておいた。
アンティークで価値のありそうななものは,数回にわたって泥棒に入られ,最終的には古道具屋さんに家探ししてもっていってもらったので,農具,多少の家具,仕事を辞めた時に土蔵に放り込んだ資料や書籍くらいのものである。折に触れ,使えるものはその場所へ,不要と考えたものは始末してきた。今回が最後の断捨離である。
大方の整理がついたが,迷ったのが写真の提灯である。お盆の時には,この提灯にろうそくを灯してお墓に行き,白樺の樹皮にろうそくから火を移して墓石の前で迎え火を燃やしてご先祖様を迎え,お送りする時もお墓に提灯を灯していって送り火を焚く。提灯の出番はそれだけであった。
家屋敷を整理した後は,春秋のお彼岸に墓参りに行くだけになったので,提灯の出番は全くなくなった。部屋に飾るのは,雰囲気的に合う場所ない。不要といえば不要である。しかし,どうも捨てるのは忍び難い気がする。正面の家紋がそういう気持ちにさせるのかもしれない。
結局,始末はわが亡き後の人たちに任せようと,持ち帰ってしまい込むことにした。