訃 報 相 次 ぐ
フジコ・ヘミングさん:4月21日にすい臓がんで亡くなった。92歳だった。つい先日まで、新聞にコンサートの広告が載っていたような気がしていたが残念だ。
30年ほど前に、東京オペラシティのコンサートホールで初めて彼女の演奏を聴いた。リストのラ・カンパネラ。演奏を突然中止して、客席に向かって「今の演奏はどうも納得できないので、もう1回最初から弾きなおします」と言ってピアノの前に戻った。びっくりすると同時に感動した。一緒にいた娘が、「2度も聴けるなんてラッキー」と言っていた。
ピアニストでもある私のコカリナの師匠にヘミングさんのピアノについてうかがったところ、「時々間違えているけど、演奏に込められている情念は誰も追随できない」と答えられた。
カミさんは大ファンで、時々彼女の部屋からヘミングさんのラ・カンパネラが聞こえてくる。
星野富弘さん:ヘミングさんと同じく、4月21日に亡くなった。78歳だった。
富弘さんが、重度の心身障害を負い、口に絵筆をくわえて絵を描く方ということは知っていたが、20年近く前に、行きつけの床屋の奥さんから町の図書館に著書があることを聞き、借り出して読んだ。『愛 深き淵より』、『花の詩画集』3冊。
絶望との葛藤を突き抜けた安らぎから自然に発せられるものだろうか、絵と言葉に込められた癒しを感じた。みどり市にある富弘美術館にも行き、富弘ワールドの雰囲気に身を置いた。
富弘さんの言葉から:
憎しみは争いをおこし愛はすべてのとがをおおう。
晴れの日、雨の日、くもりの日、どんな時でも花は咲く。私の人生にかけがいのない花が咲く。
辛いという字がある。もう少しで幸せになれそうである。
星野富弘さんの絵葉書から
お二人のご冥福をお祈りします。
胸 が 痛 む
テレビのニュースで、アメリカの大学でイスラエルのガザ侵攻に抗議する学生たちのバリケードが警官隊によって撤去される様子が報じられた。孫が去年まで留学していた大学だった。
座り込んでいた学生が警官に拘束される姿に胸の痛みを感じた。
憲 法 記 念 日
77回目の憲法記念日。朝日新聞の世論調査では、憲法9条改定反対が61%を占めたという。もっと増えて欲しい。
STOP WAR!