『虎に翼』終わる
NHK朝ドラの『虎に翼』が終了した。
わたしはカミさんと朝飯を食べながら、ほぼ毎回このドラマを観てきた。観終わっての感想は「秀」である。
日本初の女性裁判官三淵嘉子さんをモデルにした主人公佐田寅子を演じた伊藤沙莉さんの演技は、最初はちょっとなじめなかったが、年齢が進むにつれて、「裁判官のおばさん」という雰囲気が見事に演じられていて感心した。
わたしは9月6日のブログに、このドラマの原爆被爆者による損害賠償請求裁判の場面についての感想を書いたが、それ以降のシーンで特に印象に残ったのは、尊属殺人の違憲性を巡る最高裁判所法廷の弁論場面だった。
男装の女性弁護士山田よねが、弁護する被告人に対して、尊属殺人の重罪規定を適用するのは、法の根幹にある道徳に反していることを指摘し、「クソ」だと断じる。それに対し、裁判長が「不穏当な発言」を慎むように注意する。それを同僚の弁護士轟が引き取って、陳謝しながら山田を励ます。
わたしはこのシーンの流れに、ドラマの基調が示されているように感じた。
『虎に翼』には実に多くの社会的あるいは個人的な問題が取り上げられている。ジェンダー差別、夫婦別姓、同性婚、被爆補償、外国人差別、家族制度等々、ドラマ当時に存在し、現在に持ち越されている問題が、当事者を登場させて提起されている。
しかし、そうした問題の不当性を劇中では徹底的には追及しない。いろいろな壁を提示し、壁に突き当たった当事者を受け入れる人や台詞を用意し、問題をそれなりに落ち着かせ、視聴者を納得させる。見事な起承転結である。
作者の吉田恵理香さんはインタビューで法律の問題に正面から向かい合い、書くべきことを書くという姿勢で取り組んできたと語っている。そして、もう30回くらいドラマが続いて欲しいくらい、書きたいことがあったという。
憲法14条にある「法の下の平等」を基軸に置き、女性問題を中心に人権や社会構造の問題に正面から取り組んだ吉田恵理香さんに拍手を送りたい。
NHKの朝ドラの大部分はわたしの記憶の中で新陳代謝されている。『虎に翼』は、多分代謝されずに記憶の中に留まるだろうウ。
公民館の庭で
ムクナ
ランタナ
ヒャクニチソウ
STOP WAR!
花の写真ありがとうございます。特にヒャクニチソウが気に入りました。
3枚の花の写真美しいですね。ヒャクニチソウは特に好きです。花言葉も「絆」「遠くの友を思う」「幸せ」心に沁みます。