ありがとうヒロムジカ
東京四谷の紀尾井ホールで行われた「東京ヒロムジカ・シンフォニー・オーケストラ」の演奏会に行ってきた。
このホールに何回通ったろうか。四谷駅からの新緑の道は、いつもながら気持ちがいい。
オーケストラの監督兼指揮者は、高校同期の畏友村山弘君。芸大卒業後NHK交響楽団の主席ヴィオラ奏者を務め、オーストリアに渡ってウィーンフィルをはじめいくつものオーケストラと共演した。
N響退団後は弘前大学教授に転じ、定年後弘前と東京で、彼の教えを慕う音楽愛好家を中心に数個のオーケストラを組織して毎年演奏活動を続けてきた。
オーケストラに冠した「ヒロムジカ」は、彼の名前のヒロムと音楽を意味するムジカの掛け言葉である。
今日の演奏会は90歳を目前にした彼の音楽人生集大成とチラシに記されていた。
ホールはほぼ満席。80名近くの大編成オーケストラに圧倒される。
1曲目のブラームス交響曲1番の冒頭、指揮者の両足は一瞬台から離れ、一気に演奏へと聴衆を誘い込んだ。
2曲目はマーラーの交響曲第5番第4楽章「アダージェット」。ハープと弦の響き会いに魅せられた。そして、指揮者の思い入れが強いという、ワーグナーのトリスタンとイゾルデ「前奏曲と愛の死」で演奏会はしめくくられた。
指揮者の動きからはこれまでにない情熱のほとばしりが感じられ、オーケストラは見事にそれに応えていた。
参集した同期生は15名くらいだったろうか。常連のH・S君が4月22日に亡くなって、顔を見られなかったのが寂しかった。
ヒロムジカの演奏がこれで聴けなくなるのは残念だが、このような素晴らしい音楽を紡いだ友を心から誇りに思う。
村山弘君ありがとう。ありがとうヒロムジカ。
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