集 合 A
久しぶりに東京に出て、友人と碁を打った。
大学時代からの友人で、以前は月に1回神田の学士会館に集まって烏鷺を戦わせていた。この集まり「集合A] と称し、最盛時は10人くらい集まっていたが、メンバーが鬼界に入ったり、体を壊したりして出席が減り、今日は3人だけだった。
「集合」というのは数学用語からの援用らしく、数理経済学が専門の仲間の発案で、賛否を問うたわけではないが定着した。
なんでこの集まりが始まったのか、理由はよくわからない。農学部3号館の中3階に学生自治会の部屋があり、なんとなくそこに出入りして顔なじみになったような気がする。政治的信条や志が同じだからということはないし、そんなことを突き詰めて話したこともない。学科も異なり、趣味もそれぞれである。碁を打たないのも何人かいる。しかし、お互いに信頼できる奴という感じを持っていて、一緒にいると愉快な気分だった。友人とはそういうものではないだろうか。
卒業後、進路を違えた仲間の消息は、直接あるいは間接に耳に入った。結婚式に呼んだり呼ばれたりした。何かあると集まり、わたしがパラグアイに行ったときは歓送会をしてくれた。仲間内の葬式や回忌法要で集まったこともあった。
現役を退いてから定期的に集まるようになり、仲間の一人が務めていた雑誌社の寮が熱海梅園のそばにあり、そこに泊まって飲み、しゃべり、碁を打っていた。その寮が閉鎖になって、以降は学士会館に場所を移すことになった。
コロナで途絶えていた集まりが復活したと思ったら、メンバーに欠員ができて間遠になり、ようやく今日の開催となった。集まる前はなんとなくこれが最後という気分だったが、こだわる必要はなく、気運が盛り上がったらまた、ということで別れた。
しかし実に楽しかった。自身や家族の健康の話が出るが、この仲間でしかできない会話を楽しみ、碁の腕を競った。全敗を覚悟していたが、一つ勝てたのはラッキーだった。
またやりたい。
2016年箱根での集まり。このほかに2人参加したが先に帰って写っていない。
STOP WAR!