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令和5年-労災法・問6-C「不服申立ての前置等」

2023-10-27 03:33:02 | 過去問データベース

 

今回は、令和5年-労災法・問6-C「不服申立ての前置等」です。

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処分の取消しの訴えは、再審査請求に対する労働保険審査会の決定を経た後
でなければ、提起することができない。

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「不服申立ての前置等」に関する問題です。

次の問題をみてください。

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【 H12-7-E 】
保険給付に関する処分の取消しの訴えは、この処分についての審査請求に
対する労働者災害補償保険審査官の決定を経た後でなければ、提起すること
ができないが、審査請求がされた日から3か月を経過しても決定がないとき
は、この限りでない。

【 H23-4-B 】
保険給付に関する決定についての審査請求に係る労働者災害補償保険審査官
の決定に対して不服のある者は、再審査請求をした日から3か月を経過して
も裁決がないときであっても、再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を
経ずに、処分の取消しの訴えを提起することはできない。

【 H12-7-B[改題]】
保険給付に関する処分の取消しの訴えは、この処分についての審査請求に
対する労働者災害補償保険審査官の決定を経た後でなければ、提起すること
ができないが、審査請求がされた日から6か月を経過しても決定がないとき
は、この限りでない。

【 R5-6-B 】
審査請求をした日から1か月を経過しても審査請求についての決定がない
ときは、審査請求は棄却されたものとみなすことができる。

【 H29-選択 】
労災保険の保険給付に関する決定に不服のある者は、( A )に対して
審査請求をすることができる。審査請求は、正当な理由により所定の期間
内に審査請求することができなかったことを疎明した場合を除き、原処分
のあったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過したときはする
ことができない。審査請求に対する決定に不服のある者は、 ( B )
に対して再審査請求をすることができる。審査請求をしている者は、審査
請求をした日から( C )を経過しても審査請求についての決定がない
ときは、( A )が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

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「不服申立ての前置等」に関する問題です。
保険給付に関する決定の処分の取消しの訴えについては、不服申立て前置
主義がとられています。これは、保険給付に関する処分は大量に行われ、
行政の統一を図る必要があり、処分の内容も専門的知識を要するものが多く、
特に保険給付に関する審査請求及び再審査請求の審理は第三者的機関が担当
していること、かつ、裁判における訴訟手続、費用、係争期間を考えれば、
行政庁に対する不服申立てを前置することが行政及び司法の機能との調和
を保ちつつ簡易迅速に国民の権利、利益の救済を図るのに有効であると認め
られるからです。
この「不服申立ての前置」は、元々、「保険給付に関する決定に係る処分の
取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求に対する労働保険審査会
の裁決を経た後でなければ、提起することができない」と規定されていまし
たが、行政不服審査法の改正に伴い、現在は、「第38条第1項に規定する
処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する労働者災害
補償保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない」と
されています。
また、審査請求手続と再審査請求手続は、いずれも行政機関内部の争訟手続
であり、両手続が同時並行して継続するような事態は、回避することが必要
であるため、審査請求後3か月を経過しても労働者災害補償保険審査官の
決定がない場合、審査請求手続は終了させることとしています(労働者災害
補償保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすこととしています)。
そのため、保険給付に関する決定の処分の取消しの訴えは、当該処分について
の審査請求に対する労働者災害補償保険審査官の決定を経た後でなければ、
提起することができませんが、労働者災害補償保険審査官が審査請求を棄却
したものとみなしたのであれば、処分の取消しの訴えをすることができること
になります。

ということで、【 H12-7-E 】は、出題時は誤りでしたが、現在の規定では
正しいです。
【 H23-4-B 】では「再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経ず」
とあり、【 R5-6-C 】では「労働保険審査会の決定を経た後でなければ」
とあるので、いずれも誤りです。

【 H12-7-B[改題]】と【 R5-6-B 】は論点が違っていて、審査請求
が棄却されたものとみなされる期間についてで、それぞれ、「6か月」と「1か月」
としていますが、正しくは、「3か月」なので、いずれも誤りです。

【 H29-選択 】の答えは、
A:労働者災害補償保険審査官
B:労働保険審査会
C:3か月
です。

これらの規定は選択式で空欄にすることができそうな語句が多くあるので、再び
選択式で出題されることがあるでしょう。
ですので、キーワードは、正確に覚えておきましょう。

 

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