10月
●10月の異称
(1)「神無月(かんなづき、かみなしづき、かみなづき)」
神無月の由来
★神を祭る月であることから「神の月」とする説が有力とされ、「無」は「の」を意味する格助詞
「な」である。
☆中世の俗説には、10月に全国の神々が出雲大社に集まり、諸国に神がいなくなることから
神無月になったとする説があり、出雲国(現在の島根県)では反対に「神有月・神在月(か
みありづき)」とよばれる。「神去月(かみさりづき)」も同じ説。
☆雷が鳴らない月で、「雷無月(かみなしづき)」が転じたとする説。「雷無月(かむないづき)」
☆新穀で酒を醸(かも)す月なので、「醸成(かみなし)月」とする説」
(2)「良月(りょうげつ)」
☆陰暦の10月を「良月」と呼ぶ理由は、中国の『春秋左氏伝』によると、「十」は「満ち足りた
数」だから。単純な理由である。「良月」にはもう1つ「明るく澄み渡った美しい月」の意味も
あり、新暦の10月にも相応しいと思われる。
(3)「陽月(ようげつ)」
「重陽の節句」は中国の重日思想から発した祭日で、9月9日は9(陽数)が重なり、「重九の
節句」とも呼ばれる。現在は新暦の9月9日に行われるが、元来は陰暦で行われ、中秋の
名月の20日以上もあとに行われる行事である。重陽の節句が行われる月なので、「陽月」
と呼ばれたのである。
(4)「捨月(しゅうげつ)」
「拾」の意味は、数字十の大字(漢数字の代用字)つまり「十月」のこと。
(6)「初霜月(はつしもづき)」
文字通り初霜が降りる月だが、今年(2012年)の陰暦の10月1日は11月14日、旧暦の
10月は凡そ「初霜の月」となる。
*初霜日: http://gardening123.blog38.fc2.com/blog-entry-391.html
(7)「時雨月(しぐれづき)
冬の間晴れていても、急に雨雲が生じてしばらく雨が降ったかと思うとすぐに止み、また降り
出すということがある。これを時雨といい、本来は京都などの山がちの場所で見られる現象
だが、次第に冬の通り雨を「時雨」と呼ぶようになった。陰暦10月は「時雨月」と言われるよ
うに最も時雨の多い時期である。
(8)「小春月(こはるづき)」・「小春(しょうしゅん/せうしゅん)」・「小陽春(こようしゅん)」
初冬、陰暦の10月頃、日本付近は移動性の高気圧に覆われ、穏やかな春に似た気候が
続くころを「小春(こはる)」といい、初冬のこのような暖かい日和(ひより)のことを「小春日
和」と言う。
(9「初冬(しょとう)」・「孟冬(もうとう)」
24節季で、冬は初冬・仲冬・晩冬に分け、初冬は陰暦10月のこと。「孟」は「初め」の意味。
(10)「建亥月(けんがいげつ)」
「建」とは北斗七星の柄の部分を意味し、その柄の部分が陰暦で亥(がい:猪い)の方向に
向く月をいい、陰暦10月にあたる。十二直による。
(11)由来が未詳なもの
*鏡祭月(きょうさいげつ) *鎮祭月(ちんさいげつ) *大月(たいげつ) *大章(たい
しょう) *応章(おうしょう) *応鐘(おうしょう:中国音楽の十二律の一つ) *開冬
(かいとう) *方冬(ほうとう) *玄冬(げんとう) *春待月(はるまちづき)
衣替え
衣替えの習慣は平安時代の宮中行事から始まり、旧暦の4月1日と10月1日に行われて
いた。もっと複雑になったのは江戸時代で、旧暦の4月1日~5月4日が袷(あわせ)、5月
5日~8月末日が麻の単衣(ひとえ)の帷子(かたびら)、9月1日~9月8日が袷、9月9日
~3月末日が綿入れの小袖(こそで)とされ、一般庶民もそれに従った。
明治時代になると、国家公務員の制服が定められ、夏服と冬服の更衣の時期も制定され、
現在のように夏服が6月1日~9月30日、冬服が10月1日~5月31日と定められた。
現在着物の衣替えは、10月1日~5月31日が袷、6月1日~30日と9月1日~30日が
単衣、7月1日~8月31日が薄物(うすもの)とされている。
衣替えの風習は以前ほど厳密なものではなく、それに地球温暖化のため10月はまだ
残暑が厳しい日が続き、冬服に衣替えするタイミングがなかなか難しくなってきている。
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