スプラウト 会計のはなし、日々のはなし

名古屋市千種区の税理士法人スプラウトの税理士/社労士/CFP®が綴る日々の様々なこと。

損益よりもキャッシュフロー

2011-09-06 17:45:17 | Weblog
会社の状態を数字で表した
表を財務諸表といいます。

財務諸表には
・貸借対照表
・損益計算書
・キャッシュフロー計算書
などがあります。

どれも
会社経営には
欠かせないものですが

中小企業にとって
特に重視すべきなのが
キャッシュフロー計算書です。

会社経営にあたり
やはりお金は重要であり
お金がないと
事業は存続できません。


貸借対照表や損益計算書を見ても
お金の流れが
イマイチつかめませんので

それを補うため
キャッシュフロー計算書が
日本でも重視されるようになりました。

実は
キャッシュフロー計算書は
西暦2000年に
日本に導入されてから
まだ十数年しかたっていません。


上場企業などでは
外部報告用として
キャッシュフロー計算書の作成が
義務付けられていますが

会社法では
キャッシュフロー計算書の作成を
強制していないため
中小企業では
作っていないところも多いと思います。


損益計算書を見て
「黒字」になっていても
手元にお金がないというケースはよくあります。

お金がないので
「黒字」といわれても
多くの経営者にとっては
実感がわかないわけですが

このような場合
キャッシュフロー計算書を見れば
なぜお金がないのかが
理解できます。


キャッシュフロー計算書
には

①営業キャッシュフロー

②投資キャッシュフロー

③財務キャッシュフロー

の3区分があり
どのような理由で
お金が増減したかが
わかるようになっています。


①営業キャッシュフローは

簡単に言うと
本来の商売でどれだけ
お金が増えたか(減ったか)を
表します。

ここは基本的に
プラスである必要があり

何期もマイナスが続くようだと
本業でキャッシュを生み出せてない
ということなので
事業の継続が徐々に厳しくなっていきます。


②投資キャッシュフローは

設備投資などに
いくらお金をつかったかを
表します。

ここは将来の売上のために
設備投資が活発に行われていると
通常マイナスになりますが

リストラなどで
設備を売却した場合は
プラスになることもあります。


③財務キャッシュフローは

借入や増資などで
いくらお金を調達したか(返済したか)
を表します。

通常、返済だけをしている場合は
ここがマイナスとなりますが

新規で借入したりすると
プラスになります。


一番望ましい状態としては

①営業CF プラス
②投資CF マイナス
③財務CF マイナス

で①営業CF>②投資CF+③財務CF
になっていることです。

これは
①本業で稼いだお金で
②設備投資もまかない
③借入の返済もし
それでも
お金が増えている状態です。


逆に最悪なのは
①営業CF マイナス
②投資CF プラス
③財務CF プラス
の場合で

これは
①本業でお金を減らしている分
②設備の売却と
③新規の借入金でまかなっている状態です。

この状態が続くようだと
事業の存続が危うくなりますので

まずは
本業でのキャッシュフローがプラスに
転じるように

早めに手を打たなければ
なりません。


キャッシュフロー計算書には
当期1年間で
どれだけお金が
増えたのか(減ったのか)
が一目でわかるので

経営者の実感と
かなり近いものがあると思います。


結局、商売は
キャッシュを増やすことが
目的ですので

キャッシュフロー計算書を指針として
経営するのが
一番わかりやすいですね。



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