すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

モシモではなくイツモ

2022年01月19日 | 読書
 月曜日に読み聞かせする絵本は決めていた。しかし、ちょうど1月17日だったので、震災に関する本の紹介ぐらいはしたいと思い、図書館内の本を検索して見つけた一冊だ。「この本は、阪神・淡路大震災を経験された167人のかたのお話をもとにつくられました。」とあとがきにあり実にユニークな仕上がりだ。


『親子のための地震イツモノート』
 (地震イツモプロジェクト編  ポプラ社)


 
 表紙見返しに書いてある文章が、この本の趣旨を端的に言い表している。子どもたちにも紹介した。「地震が起こる可能性は、モシモではなくイツモ。イツモしていることが、モシモのときに役立つ。」副題が「キモチの防災マニュアル」とあり、物的な準備が網羅されている内容ながら、説明が詳しくわかりやすい。


 「地震の瞬間」の「理想の対応」と「実際の対応」が図化され、こうまとめられている。「『なにかをする』のではなく、『なにもしなくていい』ようにそなえておく。それがいちばん大切な防災のこころえなのです」今さらながら、社会的ハード面だけでなく、家庭・日常の細かな原則にも当てはまると思い知る。


 被災者による「地震の直後」の状態、心理などが端的に書かれ、それにそった準備や対応が示される。「水がなくなる」というページでは、イツモの水の扱い方、備えの仕方、そして起こった後の工夫「ラップをお皿に広げて」「新聞紙で食器をつくる」「三杯のバケツで(汚れをとる)」と、実用的に記されている。


 イツモの心がけは、こんな形でも提案されている。「あいさつという防災」で近所との付き合い方、「アウトドアという防災」「スポーツという防災」で、被災時に役立つこと、関係づくりなどを強調している。東日本大震災から10年過ぎ、正直気持ちに緩みもあるし、イツモの防災習慣化のネジを締める時だと思う。


コメントを投稿