浦和 0対2 名古屋
2008/3/15 埼玉スタジアム2002
浦和が名古屋に完敗した。浦和にないものが、この日の名古屋には揃っていた。
ポンテをけがで欠く浦和には攻撃における司令塔がいなかった。一方の名古屋には、今季、川崎から移籍したマギヌンがいた。マギヌンは、主に左サイドでボールを保持したり、ドリブルで揺さぶりながらパスを展開し、名古屋の攻撃にほどよい落着きとテンポをもたらした。名古屋の先制点は、マギヌンのクロスをヨンセンが頭で決めた。
闘莉王をけがで欠く浦和には、個々のプレーに気迫や積極性がまったく感じられなかった。名古屋は攻守において、ボールに向かう動き出しで浦和を上回っていた。マギヌン、玉田、中村直志、小川佳純らがドリブルで果敢にチャンレンジする姿は、浦和の選手にはないものだった。
阿部、坪井らのベテランの最終ラインとGK都築は、自信なさげで安定感がなかった。都築と守備陣の連携ミスが名古屋の2点目を生んだ。名古屋の守備陣は若い選手が多かったが、GK楢崎がときに叱咤しながらうまくまとめていた。
浦和のオジェック監督には、今季の浦和をどういうチームにするかという設計図が描けていないようだった。テレビで見た山田主将の「チームがうまく機能していない。チームの方向性をみんなで考えていきたい」というコメントを聞くと、監督の指導力に問題があるように思えてならない。
名古屋のストイコビッチ監督は、マギヌン、玉田を軸に、活動量の多い、積極的なプレーを目指しているようだった。試合中、何度もコーチングエリアに出て、「もっと上がれ」という指示をだしていた。2点リードしている後半44分に3人目の選手交代をおこなうなど、勝負にこだわった采配も納得できる。今日の勝利をきっかけに、かつて選手としてサポーターを魅了した以上に、監督として、選手からも、サポーターからも厚い信頼を得ていくことだろう。
浦和は、昨季、ACLのチャンピオンになり、クラブワールドカップで3位になったものの、天皇杯でJ2のチームに敗れ、ほぼ優勝を手中にしていたJリーグでは、歴史的な大逆転負けを喫した。要するに、昨年の終盤から、浦和というチームは王者とはほど遠いサッカーを展開しつづけているのだ。金に物を言わせた大型補強だけではどうにもならないとすると、残る対策は限られているような気がするが、浦和のフロントは何を思うのか。
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