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ジョルジョ・アガンベン『瀆神』

2018-12-07 22:14:00 | ノンジャンル
ジョルジョ・アガンベン『瀆神』(上村忠男・堤康徳 訳)からの引用


「もし、書きものをするときに、きみたちが──彼が!──あの萌黄色の紙とあの特殊なペンが必要ならば、もし左側から降りかかるあの弱い照明がどうしても必要ならば、どんなペンでも字は書けるとか、どんな紙でも、どんな照明でも同じことだと言っても、せんないことである。……もしあの黒い紙の長いタバコがなければきみたちがどうしてもやる気にならないというのなら、それはただの強迫観念だとか、そろそろ道理をわきまえるときだと繰り返しても、せんないことである。ゲニウム・スウム・デーフラウダーレ〔Genium suum defraudare : 自分のゲニウスを欺く〕とは、ラテン語で、自ら人生を寂しくする、自分自身をだます、という意味である。そして、視線を死から遠ざけ、自分を生んだゲニウスの後押しにためらわずに応える人生こそ、喜ばしい(ゲニアーリス)のだ。」

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