しゅぷりったあえこお nano

ブログ版 シュプリッターエコー

コーヒー修行

2007-10-29 08:51:45 | くらし、商品
 僕はコーヒーのド素人である。が、格安でコーヒーミル(手動豆挽き機)を手に入れたのをカワキリに、ドリッパーだの注ぎ口の細いヤカンだのを購入し、最近、三日に一ぺんぐらい豆から挽いてコーヒーをいれるようになった。

 このコーヒーがマズい。

 ヘタクソなのである。

 豆は煎ったものを購入し、水もズボラをして浄水フィルターを通しただけの水道水だが、それでも何g豆を使うか、それをどのぐらい細く、あるいは荒く挽くか、蒸らしの時間は、お湯の注ぎ方は、等々、考えるべきことは思いのほか多い。

 プロの解説によると、理想はコーヒー本来の甘みだけを抽出することなんだそうな。ところが僕のコーヒーは特殊製法で苦み成分ばかりを抽出しました、という感じで、しょうがないので大量のミルクと砂糖で割って飲む。

 サイトなんかには、けっこう簡単においしくいれられるように書いてあるんだけど。

 センスないのかな。

 不器用だしな。

 しかし先日、嬉しいことに、これまでになくおいしくいれることができた。確かに、湯を注いだときの豆のふくれ方がちがった。コーヒーの色もコーヒーっぽかった。豆はグァテマラ。なるほど、「強い酸味」ってのはこのことだね。「豊かな香り」、わかるよ、いいね、リッチな感じ。いけるんじゃない僕? コーヒー・マイスター。ふふん。

 と、そんなある日のこと、実家に帰ると母が、コーヒーコーヒーとうわごとのように言っている息子のために、コーヒー特集の載った「奥さま手帳 10月号」(これは神戸新聞の購読者に配布される月刊の冊子である)を捨てずにとっておいてくれていて、もらった。

 むさぼるように読む僕。特集には、兵庫県下の評判の高いコーヒー店も何軒か紹介されていた。

 おいしいコーヒーをいれるためには、やはりおいしいコーヒーを飲まねば。

 そう思い立ち、今日、「奥さま手帳」の中で一番大きく掲載されていたお店「グリーンズコーヒーロースター」に行った。ここのご店主は「'01・'04年に、サイフォン部門でバリスタ日本一を受賞」しているのだそう。バリスタって何かわからないけど、日本一なんだからすごいにちがいない。場所は元町の高架下商店街、「モトコー2番街」。ドアをくぐり2階の喫茶室に上がると、ウッディーで洒落た室内に座席の数はそれほど多くなく、広々とした感じ。おしゃれ空間に少々引け目を感じながら小汚いリュックをおろし、イスに腰かける。ウェイトレスのお姉さんが注文を取りにくる。

 よし、ここはやはり「奥さま手帳」におすすめの品として紹介されていた「グリーンズブレンド」を。

 あと、何か食べよ。安いのは、これか。ワッフルを1枚。

 店内を見回すと、北側の壁に大きな窓。その向こうはテラスになっていて、今ごろの季節、そこでコーヒー飲むのも気持ちよさそうだなあ。

 てなこと考えてるうちに、来ましたよ。グリーンズブレンド。白いカップに、けっこうたっぷり入ってますね。それじゃ、いただきます。

 ズズ…。

 あ、おいしい。すごく飲みやすい。コクコクいけるけど、薄いなんてことはぜんぜんなくて。はー、なんか透明な感じ。それに自分でいれたのより、しっかり熱い。熱いのがおいしい。やっぱカップをちゃんとあっためて、ドリップだったらお湯の温度とか抽出の時間とかいろいろ考えなくちゃいけないなー。

 はい、ワッフルですね、どうもどうも。…えっ! いいんですか、これ250円ですよね、1枚っても思ってたより大きいし(マネケンのみたいの想像してた)、脇には生クリームとイチゴのスライス、ミントの葉っぱとベリーの実。この黄色いのはバターですよね、ほんでもってたっぷりのジェラートアイス! いいんですか、ほんとにいいんですか…(伝票チラッ)やっぱり250円! うっひょっひょっ、リッチですねー、いやー、リッチですねー。メープルシロップをかけていただくんですか、はい、おいしーです、おなかも心も幸せです。 


 よし、それじゃここで、もう一杯コーヒーを。


 …対決だ。


 ご店主、覚悟しな。オレのコーヒーと勝負だ。


 お姉さん、グァテマラを!


 店内に静かに流れるジャズが、いやが上にも勝負の緊張を高める。スターバックスとかのって、これに比べたらずいぶんボリュームが大きい。あんまり音楽が大きいとコーヒーの味もわかんなくなりそうだし、これぐらいがちょうどいいよ。

 てなこと考えてるうちに、来ましたよ、グァテマラ。対決を前に、お盆を運ぶお姉さんの手も心なしかふるえて…なかったが、とにかく目の前にカタリと置かれて。それじゃ、いよいよ、いただきます。


 ズズズ…。



 おほほほほ。



 いや、何ですか、僕がこないだいれたグァテマラ、あれがおいしかった?



 おほほほほ。



 オイ、先日の僕。



 そう、オマエだよオマエ。



 井の中のカワズってのは、オマエのことを言うんだよ! バリスタ・パーンチ! ぐはー。


 …コーヒー本来の甘みってのがね、わかりましたよ。グァテマラの強い酸味、でもね、これに比べれば僕のグァテマラの酸味はエグいです。こちらのマスターのは、しつこいなんてことはまったくありません。一方で、深いコクがあります。でもすこしも苦く感じません。甘く香るんです。砂糖を入れちゃもったいないです。この香りの芳醇さ。はー。うっとりします。

 こちらのコーヒー、一言で言えば、「上質」という感じ。二杯いただいて、カフェインという成分にも質のちがいがあるのかと考えさせられるほど、よそのコーヒーと比べてあとの感じがすっきり。百聞は一飲にしかず。機会があればぜひ。グリーンズブレンド400円、グァテマラ500円。安いよね。

 レジを打ったのはご店主。グァテマラがほんとにおいしかったですと伝えると、あ、そうですか、また寄ってください、と。はい、また来ます。

 だがしかし! 「奥さま手帳」の次のページ。阪急御影駅から南へすぐ、「御影ダンケ」。「バターブレンドコーヒー」ってどんなんだろうー。行かねばなるまい、行かねばなるまい。



自宅のコーヒーミル、「ミルミルさん」。


おとなの胸を打つ『白鳥の湖』―貞松・浜田バレエ団

2007-10-18 21:20:57 | 舞踊
 貞松・浜田バレエ団(本部・神戸市)が、クラシックの中のクラシックといっていいでしょう、チャイコフスキー作曲の「白鳥の湖」を尼崎のアルカイックホールで上演しました(9月22日)。
 薄幸の王女オデットと王子ジークフリートの悲しい愛の物語です。
 哀れな悲恋も最後は美しい救いのシーンで終わるのですが、今回の公演ではとくに悲劇の側面がくっきりと浮き彫りにされ、それだけ舞台も深くなって、おとなの心にも大きく響く作品になりました。

 貞松・浜田バレエの「白鳥の湖」が、もちろん少年少女たちの夢を広げる美しさをいっそう高めながらのことですが、さらに成人の心も打つ精神的な舞台にまで“成熟”を遂げたといえるでしょう。

 「白鳥の湖」はマリウス・プティパ(フランス生まれ)とレフ・イワノフ(ロシア生まれ)が1889年にロシア帝室バレエ団のために振り付けた、いわば“公式の形”を基本に置いて、今日もいろんなバレエ団で上演が続いていますが、おのおののシーンではそれぞれのバレエ団のコレオグラファー(振付家)が新しい工夫をこらして、これがバレエ団独自のおもむきを深めます。
 貞松・浜田バレエ団の「白鳥の湖」では団長夫人の浜田蓉子さん(代表)と子息の貞松正一郎さんが振り付けを担当していますが、今回はとくにフィナーレに劇的な変更が加えられました。

 オデットとジークフリートは無念にも悪魔ロットバルトの呪いを解く方法をなくしてしまって、最後にはふたりして湖に身を投げて命を断ってしまうのですが、これまではおそらくその残酷なラストの印象をできるだけやわらげたいという思いが振り付けにも働いていたのでしょう、入水したふたりが作り物の白鳥の舟に乗って幸福そうに渡っていくところで幕になっていたのです。
 ふたりの死のインパクトがいわば計画的に弱められ、それだけおとぎ話で終わる感じがおしまいのところで強くなっていたのです。

 それを今回は作り物を使うのをやめ、ふたりが湖に消えたところで舞台の流れをスパッと切って、ああ、恋人たちはとうとうこの世を去ったんだ、という思いを観客みんなにはっきり印象づけました。
 そして一拍か二拍の間を置いて、ふたりが仲良く身を寄せ合っているシルエットをホリゾント(舞台奥)の中空に浮き上がらせて、向こうの国で結ばれ合う恋人たちを強く暗示したのです。

 すばらしい効果といっていいでしょう。
 一瞬のことですが、観客はそこで大きな感情の落差を経験したのです。
 鋭い心の痛みと、しかしそれを乗り越える大きな救いの気もちです。
 生の意味、死の意味、そしてその先の再生のビジョンをしっかりと受け止めることになったのでした。

 しかもこれはラストの一シーンの成功だけに終わるものではありません。
 それまでの出来事のいっさいが強靭な一本の糸で一気に関連づけられて、まさしく幕が下りる直前に作品全体がもう一度見事に立ち上がってきたのです。
 
 さてオデットを務めた瀬島五月さんのすばらしい踊りについては、このブログの姉妹編の「批評紙Splitterecho(シュプリッターエコー)Web版」に詳しく書いていますので、ここでは舞台を分厚くするもうひとつの要素となった川村康二さんのロットバルトに触れておきたいと思います。

 強調すべきは、川村さんのロットバルトが、ただ不気味なだけの、単純な悪魔ではなかったということです。
 どこか寂しさの漂う、孤独な、むしろ物思いにふけりがちな、しかし巨大な魔力を自在に扱う不思議な悪魔ができあがりました。

 チャイコフスキーが最初に「白鳥の湖」を作曲したとき、悪魔ロットバルトにはあまり重要な位置づけはなされていなかったといわれます。
 しかし今日、この作品の奥行きないし射程距離は、むしろロットバルトの存在感がどのようにかたちづくられているかによって、決定的に左右されます。
 この大魔王は時代とともにますます深く読み込まれ、成長し、どんどん巨大な影をおびてきたといえるでしょう。

 川村さんの悲しげな、まるで裸形の神経のように鋭い心のロットバルトは、悪魔とオデットとの関係にも、単に悪意とその犠牲者という図式を超えて、もっと心理的に微妙で複雑なつながりを感じさせることにもなりました。
 舞台全体にある種の哲学的陰影を映し出すことにさえなったのです。

 「白鳥の湖」という作品の底知れなさをわたしたちにあらためて思い知らせたともいえるでしょう。

                ☆
 なおオデット評については「Splitterecho(シュプリッターエコー)Web版」の「運命と対決するオデット」をお訪ねください。Web版はhttp://www16.ocn.ne.jp/~kobecat/


魂の財産―西宮混声合唱団

2007-10-16 21:55:54 | 音楽
 西宮混声合唱団の第52回定期演奏会が阪神西宮駅前の市民会館アミティホールで開かれました(9月30日)。
 1953年にまず今津小学校の講堂を練習場につつましくスタートして、でももう半世紀を超える歴史です。
 地域社会を一緒に支える隣人たちによって構成され、けれど音楽への誠実な取り組みと熱心な努力によって、見事な水準を保っている合唱団です。
 市民の中に深く根を下ろしていることを如実に示して、1200人収容のホールがほとんど満員になりました。

 もちろん1983年いらい指揮者を務める八木宣好(のぶよし)さんの高い志と強い指導力があってこその今日のすばらしい力量だと思います。
 内外にわたって幅広いレパートリーを持っていて、今回のプログラムもハイドンのミサ曲から日本のわらべうた、そしてディズニーの映画音楽まで、おとなもこどもも一緒に楽しめる内容になりました。

 とりわけ輝きを放ったのは、合唱団オリジナルの新曲が晴れて初演されたことです。
 千秋次郎さん(豊中市在住)に委嘱されて作られた混声合唱組曲「良寛詩抄~富貴はわが願いにあらず」です。

 江戸時代の禅僧・良寛さんの漢詩に曲を付けたものですが、まず胸をうたれたのは、良寛さんの悠然たる精神がくっきりと音楽の表面に浮き上がってきたことです。
 遠い遠い宇宙の地平線へ広がっていくような大きな心、それが曲の中に透けて見えたと言ったらいいかなあ、とも思います。

 日本の合唱団がヨーロッパの曲を演奏するとき、技術はもう十分だと思うのですが、いぜん微妙な違和感を覚えるのは、歌の精神的な方向性がまだどうも定まりきらないような、そういう感じがあるからではないでしょうか。
 ヨーロッパの合唱団は、この神が遠ざかる時代にあってもなおキリスト教文明が体の奥にしみこんでいるからでしょう、団員個々人になんの指図をしなくてももう分かりきったこととして声があの聖堂のクーポラ(ドーム)の方、すなわち天上の方へ方向づけられ、そうして大きな調和と統一が高い次元で達成されるように思えます。

 一方、わたしたち日本人の発声は自然の状態ではどうやら水平の方向に進みます。
 西方浄土が西の地平線の向こうにあるという仏教のビジョンもあるいは影響しているかもしれませんが、それよりもむしろ今日わたしたちが歌というものを考えるとき、それを人から人への世俗のメッセージとみなす、この水平の構造が大きな役割を演じているのではないでしょうか。
 むろんこれはどちらが優れているかとか劣っているとかとかいう問題ではありません。
 そういう文化の形を持っていて、そこにはそれぞれの形にかなった表現があるだろうということです。

 その点で西宮混声合唱団の今回の「良寛詩抄」は、水平方向への奥行きがまさしく広大無辺に広がっていく、そのような無限の空間感覚がありました。
 わたしたちの胸にスーッと入ってきたのです。
 スーッとごく自然に入ってきて、わたしたちの心を誘って、世俗を超え、魂の清浄な世界へ連れ出していったのです。
 そして水平方向へ無限に広がっていくということは、それだけ垂直方向にも高く、深くなっていったということです。
 宇宙に壁を立てない良寛さんの生き方が現代にあざやかなリアリティーを持ちながら曲の中に甦ったと、そう言ってもいいでしょう。

 合唱団に大きな財産が生まれました。
 なににも代えがたい魂の財産です。

 さて西宮混声合唱団は来年の定期演奏会を兵庫県立芸術文化センターの大ホールで開く予定で、千秋次郎さんは今度は江戸・元禄時代の歌謡集「松の葉」に作曲して、「江戸の恋唄」を発表する計画です。
 大きな楽しみができました。
 同合唱団はhttp://www9.plala.or.jp/nishikon/

                ☆
 なお「良寛詩抄」の論評をこのブログの姉妹編「批評紙Splitterecho(シュプリッターエコー)Web版」に掲載しています。ご訪問ください。
 Web版はhttp://www16.ocn.ne.jp/~kobecat/


トラの終わり

2007-10-14 21:35:41 | 阪神タイガース
 ここ一番の大勝負を戦うには、やっぱり少しは頭のある監督でないとねえ。
 クライマックスシリーズ第2戦も落合監督のドラゴンズに敗北。
 スコアは5-3と接戦に見えますが、終始ドラゴンズ・ペースの完敗でした。
 これで2007年のタイガースは終わりました。

 来年も岡田監督では、ますます沈滞していくだけでしょう。
 責任をとってスパッとやめていただくのが、いちばんいいんじゃないでしょうか。
 じっさい、サッカーだとそうでしょう。
 でないと2008年のいまごろは甲子園球場に閑古鳥が鳴くでしょう。

脳のないトラ

2007-10-13 21:41:40 | 阪神タイガース
 プレーオフ(クライマックスシリーズ)第1戦は、ドラゴンズに7-0で完敗しました。
 脳の思考と脊椎の反射神経の二つを備えた竜と、脳がなくて脊椎神経だけの虎の戦いでした。
 脳の無いほうが負けました。
 当然です。

今年はどんな衝撃が―貞松・浜田バレエ団の創作リサイタル19

2007-10-09 22:14:42 | 舞踊
 あくまでもバレエの王道をまっすぐに進みながら、しかし王道をまっすぐに進んでいるうちに、むしろまっすぐに進んでいるからこそ、ときに大胆かつ革新的そしてスリリングなビジョンへ先陣切って踏み出していく、とこのように言えるのではないでしょうか。
 今年で19回目を迎える貞松・浜田バレエ団の特別公演「創作リサイタル」の舞台のことです。
 10月19日(金)と20日(土)にそれぞれ三つのプログラムが新神戸オリエンタル劇場で上演されます。

 神戸の暮れにはなくてならない「くるみ割り人形」はじめ「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」など、基軸はクラシックを得意とするバレエ団です。
 とりわけクララが訪れる雪の国や白鳥たちが踊る湖のほとりの幻想シーンは、そのピュア(純粋)で透明な表現の点で、今日このバレエ団の右に出るものは多分ないのではないでしょうか。
 そんなバレエ団のステージですから、創作といってもそこにはきっとオーソドックスな要素、むしろコンサーバティブ(保守的、伝統的)ななにものかが残るだろうと、まあ、そう想像するのが普通だとは思うのですが、それがぜんぜん違うのです。

 2001年の「眠れぬ森の美女」(眠れる、ではありません。眠れぬ、です。ご注意)では、ステージにびっしりと並べられたビールのケースに仰天し、夢遊者のユーモラスな動きに笑いましたし、2005年の「DANCE」では一転、宗教儀礼のようなダークスーツの厳かで激しい群舞に体ごと揺すられました、
 なかでも「DANCE」の衝撃波は神戸一都市にとどまらず、その秋の舞踊界を揺るがして、文化庁芸術祭の大賞(舞踊部門)までさらったのです。

 さて、ことしのプログラムは石井潤さん振り付けの「泥棒詩人ヴィヨン」、森優貴さん振り付けの「羽の鎖」、そして山崎敬子さん振り付けの「Do You Like The Piano?」の3本です。

 石井潤さんは新国立劇場の開場記念作品「梵鐘の聲」(1998年)で大きな注目を集めた、今日のバレエ界を代表する振付家で、「泥棒詩人ヴィヨン」(1989年)は芸術選奨文部大臣賞と舞踊批評家協会賞を受賞して、まさしく、ここにイシイあり、と大きなインパクトをもたらした作品です。ヴィヨンというのは15世紀のフランスに実在した人物で、強盗や殺人など悪行の数々を尽くしながら詩を書いたという怪物的な詩人のことです。

 「羽の鎖」を発表する森優貴さんは貞松・浜田バレエ団の出身で、1997年ドイツに渡り、現在はヴィースバーデンバレエ・トス・タンツカンパニーでソリスト兼常任コレオグラファー(振付家)として活躍しています。「Missing Link」(失われた環、2005年)でハノーヴァー振付国際コンクールの批評家賞・観客賞を受賞。2006年にはハノーヴァーバレエ・トス・タンツ・カンパニーで「恐るべき子供たち」(ジャン・コクトー原作)の振付を行っています。問題意識に満ちたみずみずしい作品が期待されます。

 「Do You Like The Piano?」の山崎敬子さんは石神井バレエアカデミー(東京都)の主宰で、貞松・浜田バレエ団の特別講師。松山バレエ団で多くの重要な舞台を踊り、同バレエ団の幹部を務めている人です。美しい作品になることでしょう。

 開演は両日とも午後6時30分。S席5000円、A席4000円。貞松・浜田バレエ団は078.861.2609 http://www.sadamatsu-hamada.com/


ラップの揚げ物はおいしいか?

2007-10-05 23:13:24 | くらし、商品
 ひどい目にあいました。
 ラップの揚げ物を食べさせられそうになりました。
 あの樹脂の包装紙です。
 のみ込んでいたら、ノドにつまって、大騒動になっていたかもしれません。
 いやはや、アブラっこい味でした。
 まだムネがムカムカしています。

 ぼくはJR三ノ宮駅近くの透析専門クリニックに通院しています。
 週3回、午後4時ごろに病室に入って、そのつど4時間ばかりベッドで機械にかかります。
 時間が長いので、途中で夕食をいただきます。
 ぼくが通院しているクリニックでは給食会社と契約していて、そこから配膳されることになってます。

 今日の夕食(10月5日)はいつも通りの白米とそれからおかずは次のようなメニューでした。
 あまり厚いとはいえないカツをメーンに、少量のキャベツ、レンコンの酢のもの、チクワの揚げ物。それに、漬物少々とデザートにカンヅメの黄桃四分の一。
 まあ、市価より安い値段で契約していますから、内容はこんなものだろうと、とくに不満はありません。
 問題は今夜だされたチクワです。

 テレビのニュース番組を見ながら、カプッと口に入れました。
 けれど、すぐに噛み切れないものが何か一つ混じっています。
 ガシガシ噛みます。
 それでもだめです。
 なにかしらアブラっ濃い汁ばかりが出てきます。
 ムカムカむかつきそうになるのです。
 いっそのみ込んでしまおうかと思いましたが、ようやく異物かもしれないと疑いが浮かびます。
 で、ギョーギ悪いな、とすこし恥ずかしく思いながら、口から取り出した次第です。

 一見、白くてアブラのかたまりのようなおもむきです。
 かたまりは、どうやら簡単にほどけそうな感じです。
 ハシでいじってみましたが、さすがにハシではラチがあきません。
 またギョーギ悪いことですが、指先で開いてみました。
 ようやくカタチが現れます。
 なんと。
 チクワといっしょに揚げられて、固くなったラップです。
 ゲッ。
 こんなエゲつないものをシュガンでいたのかと思うと、いっそうムカムカが強まります。
 もう食欲なんぞありません。

 看護士さんを呼んで、これ見てください、と示します。
 看護士さんは、スミマセン、と謝ります。
 でも、これは看護士さんが悪いわけではありません。
 給食会社へクレームをつけといてくださいと申し入れて、もうそれ以上はどうもしようがありません。
 あぁあ。
 でも、ヨシ、こいつをブログの材料にしてやろうと考えて、ちょっとリュウインが下がります。
 会社の名前をクリニックで確かめました。

 家に帰ってインターネットで調べますと、驚いたことに、けっこう大きな給食会社のようなのです。
 衛生管理もちゃんとしていると、そういうふうに書いてます。
 ホンマカイナ。

 笑い話に書きましたが、ほんとうはムカッパラが立ってます。
 神戸市の保健所に立ち入り検査をしてもらいたいくらいです。

 追伸。
 家内にテンマツを話しましたら、「そんなん、おかしい思たら、すぐ吐き出すで。ガシガシ噛むひとナンカ、おらへんわ」と笑われましたが…。

 ―――追記―――
 給食会社の弁当に異物が入っていたというこの件について、10月9日に神戸市保健福祉局から調査をするとの報告が入りました。
 当方としましても会社のイメージにあまり大きな傷をつけるのは本意ではありませんので、あとは公の機関の調査に任せて、10月10日午前零時の時点で会社名を匿名とすることにいたしました。
 この間、幾人かのかたがたから同情や共感の言葉をいただきました。
 感謝申し上げます。
 会社にもいっそうの衛生管理に努められるよう願っています。