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しゅぷりったあえこお nano

ブログ版 シュプリッターエコー

母親を待って、待って―2児の死

2010-08-15 22:00:00 | 社会
 わずか3歳と1歳のふたりのこどもをマンションの部屋に1か月以上も捨ておいて、餓死するにまかせた若い母親は、私のことをこどもたちは恨んでいると思います、と語っていますが、こどもたちは恨んでなんかいなかったでしょうね。

 母親を待って、待って、呼んで、呼んで、いつかじぶんたちのところに来てくれるだろうと思いつづけて、信じつづけて、そうして弱って、とうとう死んでいったことでしょうね。

 母親を恨めたら、まだしも救いになったでしょう。

 捨てられたことなど考えすらしないで、ただただ来てくれると信じつづけて、もう泣く力もなくなって死んだのです。

 小さな体が、そんな大きな孤独のなかで死んだのです。

 ぼくらが何を言おうと、わけ知り顔の人々がどれだけ言葉を使おうと、ふたりとぼくたちの間には決して越えられない大きな壁があります。

 ふたりの闇のほんとうの深さを知ることは、ついにぼくらにはできません。

 闇の手前で、ぼくらには結局なにもできません。

 なにかできると思うのは、じぶんは傷つくこともなく安全に生きているものの傲慢(ごうまん)です。

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