東京五輪がなかったら

これほどまでに緊急事態宣言を何度も発出したり毎日毎日感染者数の報道を細かくやるだろうか？

今の日本のコロナ対策は、東京五輪を開催するためのコロナ対策だろうなあと思う。

五輪は素晴らしいイベントなのは否定しないけど、「こういう時期に何が何でもやらなきゃいけないイベント」であってはならないと思う。

実際に五輪に出る選手たちがどう思っているかはわからないけど。
選手にとっては小さい頃から「オリンピックに出る、オリンピックで勝つ」ためにと言われて練習してきた、一つの柱みたいなもんだろうし。
それがあるからキツイ練習やストイックな生活にも耐えてこられたんだろうし。

年齢的にも今回がラストチャンス、という人もいるだろう。
そういう人達にとっては、なんとか開催できないだろうか、と願う気持ちも理解できる。

五輪に出ることで国内におけるその競技の人口が増えたり待遇や環境が良くなったりスポーツそのものにいい効果をもたらすこともわかる。

でも、それでも、やはり今のこの状況と五輪開催は切離して考えるべきじゃないのか？

どっかの知事がＳＮＳで「所詮スポーツ」という表現をして叩かれたけど、表現の間違いはあったとしても言ってることは間違ってはいないと思う。

４年に一度、を崩してもいいじゃないか。
今年はやめて来年やってその2年後とかに次の五輪、その３年後にその次、とか。４年が好きなら何回かの後に４年スパンに戻せばいい。

それくらいしないとコロナは抑えられない。

そんなことは当然偉い人たちもわかりきっているのにどうして開催しようとするのか？

まずは金。
先行投資している分がある。
それの回収ができなくなるから。

そして、民間においても五輪での集客に期待している業者さんたちがいる。

ただでさえ自粛要請で営業が苦しく生活の危機もあるんだから、多少感染リスクが上がって感染者数が増えたとしても、五輪はやってもらえたほうが助かる、という人たちがどれほどいることか。

当のスポーツ界にとっても五輪に向けてスポンサーを募り選手の育成、代表選考試合などに金と時間をかけてしまっているから、ここに来てリセットしましょう、とは簡単に言えない状況。

それは国内だけでなく、海外もそうだし、ＩＯＣが１番延期中止の被害を受けるから、当然やりますよ、的な動きになる。

それらのせめぎ合いのような責任のなすり合いのようなゴチャゴチャの状況の尻拭いを丸投げされているのが東京都じゃないか？

感染が減らない原因が東京の繁華街みたいに言われ、毎日毎日感染対策を呼びかける都知事。
やることなす事批判を浴びて、国民のストレスのはけ口にされている都知事。

もう誰か替わってよ、と思ってるだろう。

たぶん、だいぶ以前に感染拡大が止まらないから五輪は延期あるいは中止にしよう、と言っていたかもしれない。

でも、国やいろんな団体がそれを許さなかったんだろうなぁ。

東京五輪がなかったら、いろいろ順調だったのかもしれない。

もっとも、コロナさえなければなんの問題もなかったろうけど。