訃報:元プロレスラー、大木金太郎さん

2006年10月27日 | 格闘技
韓国の虎と呼ばれた大木金太郎さんがソウル市内の病院で26日に亡くなった。77歳であった。『一本足打法』ならぬ『一本足頭突き』は猛者揃いの外人レスラーからも恐れられた。
韓国で生まれであるが、力道山に憧れプロレスラーになる夢を実現するため貨物船で密入国、捕まるが力道山が身元引受人になり釈放、日本プロレス入りしたと言うエピソードがある。それにしても当時の力道山の政財界に対する力は驚異的だ。
大木さんは'93年頃に内蔵疾患や血行障害等で倒れてから、亡くなるまで闘病生活をしていた。その中で韓国内のプロレス再建スポーツ振興に力を注ぎ、今年2月にはWBC(野球)に出場する韓国チームの応援に来日したがそれが日本での最後の姿となった。

日本プロレス時代はさすがにあまり良く知らないが、馬場、大木、猪木の三人が将来を嘱望され、若手三羽ガラスと呼ばれていたのは有名である。私がよ~く覚えているのがボボ・ブラジルとの頭突き世界一決定戦と呼ばれた死闘である。大木の『一本足
』に対しブラジルの『ココバット』は長身の体躯をさらにジャンプして上から鉄(アイアン)と呼ばれた頭を叩きつける荒技である。ブラジルは200cm近い長身であり、体格的にハンデがある大木はそれでも意地でも引き下がらない。こんな魂の試合をやってきた人である。

日プロ崩壊後は全日に参戦、キム・ドク(タイガー戸口)を従えてヒールに徹した時期もある。私が良く見たのはこの時代である。大木が馬場を、キムがJ.鶴田をつけねらうと言う図式である。あとはアブドーラ・ザ・ブッチャーとの試合もかなり面白かった。チャンピオンカーニバルだったかなあ?ブッチャーも頭突きが得意であったが、大木のボディーへの執拗な頭突き、そしてダメージのあるブッチャーに追い打ちをかけるように一本足頭突き、ブッチャーは地獄突きや凶器シューズによるトウキック等のラフファイトで反撃を試みるが単発で終わる。結果は忘れたが終始大木ペースであった。

と、思い出を語るとキリがない。しかし『大木金太郎/金一 』という偉大なレスラーがいたことは忘れないだろう。


ご冥福をお祈りします。


最新の画像もっと見る

post a comment