Talk Boxって?#3 (#600)

2010年07月01日 | FUNK
7月になりました、2010年も折り返しですね。

当ブログも600回目の更新となりました。月に10回の更新を目標にやってはいるのですが、なかなか達成できません。先月は3ヶ月ぶりぐらいに達成しました(笑)。今後もマイペースな更新になると思われますが、今後もひとつよろしくお願いします!


さて、今回は【Talk Boxって?】と言うタイトルの最終回です。

Talk Boxを使用してZapp/Rogerが大ブレイクしてた頃を前後して、ちょうどテクノFUNKと呼ばれるサウンドも流行っていた。テクノロジーの進化によりデジタル化が進んだ事が拍車をかけた事もあるだろう、Drum Machineを使用して意識的に機械的なサウンドを出すのが流行った。

Midnight Star "Freak-a-zoid"



Midnight Star - Electricity



One Way- Don't Fight the Feeling



One Way feat. Al Hudson - Mr. Groove




上に貼り付けた【Midnight Star】や【One Way】を聴くとボイスのようなSynthサウンドが使用されている。これは一見(一聴)Talk Boxに似ているが、Vocoderと呼ばれるSynthの一種であった。かなり有名なところではEWFの『Let's Groove』のイントロで聴ける「生麦生卵」と聞こえる部分はVocoderである。

元々は音楽向けに開発された物ではないようだが、音楽で使用したのはドイツのテクノバンド【Kraftwerk】(クラフトワーク)が使用したのが最初か?当初はロボットの声のイメージで使用される事が多かった。そのThe Robotsを聴いてみてね。


Kraftwerk - The Robots




彼らのサウンドアプローチは後のYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)にも多大な影響を与えたようだ。

そのVocoderを後のRogerのようにリードボーカル的に使用して有名にしたのが、Jazz界の大御所Herbie Hancockであった。元々Jazzの枠を超えてFUNKにアプローチしていたHerbieであるが、'77年に発表した【Sunlight】と言うアルバムでVocoderをフューチャーしてかなりの反響を呼んだ。音楽的にはそれ程の変化があったわけではないが、Vocoderを含めサウンド的にはかなりの変化を遂げている。これは前作【Secrets】と比較すると顕著である。


Herbie Hancock "I Thought It Was You"



そのHerbieがこのVocoderを知ったのはStevie Wonderだと言う。Stevieのスタジオに遊びに行った時に紹介されたという。そう言えばHerbieはStevieの名作【A Songs In The Key Of Life】のレコーディングに参加している。『As』と言う曲でFender Rhodes(多分)を弾いている。まあ時期的にもその頃なんであろうか?

まあこの後HerbieがこのVocoderをフューチャーした作品を聴いた事がないが、彼の後にこのようなアプローチをしたアーティストはほとんどいなかった。しかしこのVocoder、意外に様々なアーティストの作品に使用されており、実際に普及率はTalk Boxの比ではない。

しかしRogerの使用法でVocoderの存在はマイナーなものに思えてきてしまう。Zapp全盛の頃を知らない若い世代にもアピールする、それだけのインパクトがあることは紛れもない事実であろう。

Zapp & Roger - Computer Love



Liveはさらに楽しい!

Zapp - I Can Make You Dance Live


亡くなって10年以上になるが、Rogerは永遠だ!