熊本は、古くから“火の国”と呼ばれますが、そこに住むまめ八から言わせて頂けるならば“水の国”と呼んだ方がよりふさわしいのではないか?と思う時があります。
人口70万人の熊本市の水道水は、そのほとんどが地下水で賄われており、蛇口を開きさえすれば美味しい水をいつでも飲むことができます。また、渇水による断水とは全く無縁であり、まめ八が物心ついた頃から水道管工事以外で断水したことがありません。
県内には数え切れない程の水源地が点在しており、今日でも周辺住民の方々の生活用水として利用されています。
今回、ご紹介する“潮井水源”もそんな水源地の一つです。
この“潮井水源”は熊本市の東に隣接する益城町の杉堂という集落の傍にあります。
まめ八の自宅から車で約30分という極近い場所にあるのですが、地元の人間でも知らない人が多い隠れた名水です。
写真の金網の向こうと、右手の崖から清水がほとばしる程に湧き出しています。
手で掬って飲んでみると、とても冷たく、まろやかな美味しい水でした。
この水源の水は、周辺の家々の上水道としても利用されているそうです。
潮井水源の案内掲示板。。。
この水田にまつわる逸話が紹介されていました。
水源地の傍らには、地元の方が“潮井さん”と呼んで親しんでいる水神様のお宮があります。
参道の脇には杉の古木が。。。
長い年月、この水源とお宮を見守り続けてきたのでしょうね。
ご近所の方と思われる子ども連れが水源地の湧水池で水遊びをされていました。気持ち良さそうでした~。。。
このお宮の左手には立派な石碑が建てられていました。
碑文には“蘇峰先生誕生地碑”とあります。
蘇峰先生とは、明治~昭和期にわたって活躍したジャーナリスト、政治家の徳富蘇峰を指します。ところが、徳富蘇峰の出身地は水俣市なので“おかしいな?”と思い、背面の碑文を読んでみたところ、どうも徳富蘇峰のお母様がこの地のご出身だったみたいです。碑文の除幕式には徳富蘇峰も参列されたということが書いてありました。
こうした石碑は田舎に行くとよく見かけますよね。
その殆どが、道路や圃場、用水関係の整備事業を記念したもので面白くも何ともないものですが、こうした歴史ある石碑の碑文にはこれまで知らなかった、余り知られていない面白い事実が記されていることがあるので、まめ八は一応目を通すようにしています。
水源から湧き出した水は、上下2段の遊水池に流れ込みます。
上の池から下の池を覗いたところ。。。
そしてこちらが下の池になります。上の池や水源の崖から流れ出した水が流れ込んでいて、この写真を撮った場所は天然のクーラーのような冷たい風が吹いていました。
この水源地のすぐ下流には“神水園”という食事と休憩が出来る施設があります。湧水を利用した釣堀があって、マスやヤマメなどの釣りも楽しめます。釣った魚は重さに応じて買い取りになっていて、持ち帰りは勿論、その場で料理して食べさせてもくれます。(別途料金がかかります)
それにしても熊本市街地から車でわずか30分の場所とは思えない景色です。
空を見上げると、真夏の青空に白い入道雲がムクムク盛り上がっていました。
こりゃ夕立が来るかな?
さて、この“潮井水源”ですが、熊本市から極めて近い場所にありながら、知名度が低く、訪れる人も少ない事には理由があるのです。
その理由とは、この水源に至るまでの最後の400m位の道が極めて悪い事にあります。普通乗用車一台がギリギリの道幅である上に、見通しが悪いS字カーブが数箇所あるので、対向車が来ないかヒヤヒヤしながらの運転が続き、精神衛生上極めて良くないのです。(ただ、この400mを過ぎれば奥に車20台位が駐車可能な駐車場があります。)
また、前述した通り、こちらの水源の水は周辺にお住いの方々の上水としても利用されていますから、ゴミ等を散らかさない等、それなりのマナーを守って訪れて貰いたいと思います。
コメント
- 宮ちゃんNO1 [2011年8月18日 20:32]
- こんばんは~ 宮ちゃんで~す!
ブログで度々熊本の水源を紹介頂いて居ますが・・・
ホント・・・火の国じゃないよね~(笑)
自分の故郷長野も水は綺麗デスが・・・
これ程素晴らしい水源は見た事が有りません・・・
山が険しいので・・・源流のみ(爆)
やっぱり・・・九州の地は踏まないとダメデスね~ - まめ八 [2011年8月19日 16:05]
- 宮ちゃん、こんにちわ。
いつもコメントを頂き、有難うございます。
そうですね。。。宮ちゃんは長野のご出身だったですね。長野だったら水も綺麗で美味しいでしょうねぇ~。水が美味い所はコメも旨い!!
仕事の都合で長野には時々行く機会があるのですが、山と空が奇麗な所ですよねぇ~。
若かりし頃は信州に住みたいなんて本気で考えたこともあるんですよ。(^0^* - デコちゃん [2011年8月20日 9:44]
- こんにちは!
まめ八さんのブログを拝見していると、熊本の良さがとっても伝わってきて、行ったことがないんですが、熊本のファンになってしまいます^^♪
美しい水に恵まれているってことは、宝物をいただいているのと同じくらいありがたいことですね! - まめ八 [2011年8月21日 18:16]
- デコちゃん、こんにちわ。
いつもコメントを頂き、有難うございます。
いやぁ~。。。毎回、毎回、お国自慢のような記事ばかりで少々恐縮しております。(;^_^A
ただ、少しでも多くの方に故郷熊本の良さを知って頂き、足を運んで頂きたい一心で記事を書いております。
デコちゃんのような熊本ファンには蒲島知事から九州新幹線無料乗車券を進呈しなければならないところなんでしょうが、何せ貧乏県ですから。。。
デコちゃんがコチラにお越しの際は、県民挙げて提灯行列でお迎えしますよ~。(^_^) - EP82-SW20 [2011年8月21日 22:53]
- こんばんは。
阿蘇山があるから「火の国」なのでしょうね。
でも、こんなに湧水に恵まれているのだから、「水の国」(と言うよりは「泉の国」)でしょうねw
まめ八さんのブログのおかげで、ひとつ勉強になりましたw - まめ八 [2011年8月22日 13:03]
- EP82-SW20さん、こんにちわ。
熊本が火の国と呼ばれている理由は諸説ありまして、最も流布しているものがEP82-SW20さんが仰られる阿蘇=火山=火の国という説。もう一つが、不知火海で見られる不知火から来たという説。そして、熊本=肥後=肥の国=火の国という説もあって、どれが本当かは未だわかっていない状況です。
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