前回からの続きです。。。。
筋湯温泉街からかなり細い山道を積雪箇所に注意しながら下って行くと、湯坪温泉に着きました。
温泉地というよりは、静かな山里といった風情です。
棚田には雪が残っていました。
今日宿泊する予定の宿は“御宿 泉水”さんです。
“御宿 泉水”さんは、客室が新館7部屋、別館6部屋(うち露天風呂付が4部屋)、ログハウス2部屋、湯壷1部屋というこじんまりとした宿です。
温泉は別棟に大小5つあり、入浴中は内側から鍵をかけて貸切の形で入る事になります。
泉質は、硫黄・炭酸泉で湯に浸かるとほのかに硫黄の臭い(温泉の香り?)がします。
ウチの娘は少しアトピーの気があるので、温泉によってはお湯が沁みると言って入るのを嫌がるのですが、こちらの温泉はそんな事も無く、喜んで入っていました。しかも、温泉から出た後は、痒がらずに肌がツルツルになっていました。
湯温は、温泉が流れ込んでいる所ではかなり熱いのですが、外気温が低いので少しぬるめに感じました。ただ、ゆっくりと浸かるぶんにはこの方が良かったと思います。
また、温泉の効用のおかげなのか、温泉から出た後も体がぽかぽかと暖かく、湯冷めする事がありません。
浴室は、天井近くの壁が吹き抜けであることから冷たい風が吹き込んでまるで山中の露天風呂に入っているような野趣溢れる感じでした。
ちょっと懐かしい風情のあるお風呂ですが脱衣場がなく、脱いだ浴衣は浴室の一角に設けられた棚の竹篭にポンと入れておきます。
ゆっくりと足を延ばして肩までお湯に浸かり、顔は冷たい空気に包まれていると日頃の憂さなど吹っ飛んでしまいそうです。
こちらが温泉棟です。温泉棟の前が駐車場になっていたので上手く写真が撮れませんでした。
福岡や鹿児島、長崎など九州各県からお客さんが来られていました。
まめ八たちのお部屋は、新館でした。
廊下の両側に部屋が並び、湯治宿といった感じです。
部屋自体は大きくありませんが、清潔で落ち着ける雰囲気のお部屋でした。
新館の入り口には喫煙場所が設けられており、ちょっとしたお洒落な空間になっていました。
こちらの夕食は、“5時50分から母屋で一斉に摂って頂く事になっています”という事だったので、早めに温泉から上がり、夕食の準備が整った母屋に浴衣姿で出かけていきます。
母屋の縁にはきれいな着物が飾ってありました。
この飾り物は季節によって取り替えるのだそうです。
こちらが母屋。一見普通の民家のようです。
この母屋、築後135年の歴史ある建物なんだそうです。
玄関の戸をあけて中に入ると、建物の外観からは想像出来ないような大正ロマンの空間でした。
さて、こちらの宿を選んだ温泉以外の理由が、料理なんです。
とにかく食べきれないほどたくさんの料理が出てきます。
しかも、一品一品が地元の山野草や食材を利用して工夫を凝らした創作料理。
味の方も一品一品が、それだけで独立したメニューとして通用するほど素晴らしいお味でした。
最初に出されたお料理全景。。。
この後に、次々と新しいお料理が出てきます。
宿泊客が一斉に食事を摂るようにしてあったのは、そのためだったのですね。
天ぷらは付近で採れる山野草を使ってあるそうで、とても美味しかったですよ。
焼き肉は豊後牛。。。左下は鱒のお刺身。右下が蕎麦の実蒸しです。
霜降りの馬刺しも美味かったです。
すずしろ蒸し。
季節のご飯と九重の山芋蒸し(温泉卵のせ)。
名前は忘れましたが奥さん一番のお気に入りだった揚げ物を出汁に浸したものと、鱒のお吸い物。
お正月ですからお雑煮。。。
シンプルな内容ですが、この地方のお雑煮だそうです。
里芋鶏そぼろあんかけと泉水胡麻豆腐。
この胡麻豆腐、何とも言えないほどいい味で素晴らしい一品でした。
これら以外にも、えのは塩焼きと、最後にご飯・香の物が出されましたが、食べる事に夢中になりすぎてついうっかり写真を撮り忘れてしまいました。
もうこれ以上、食べられない。。。と思っていたら、最後の最後に出てきたのがこの福餅とお抹茶。。。でも、美味しそうだったので頑張って食べちゃいました。
評判に違わず、大満足の食事でした。
食事の後は、散策するには寒すぎたので部屋でコタツに入りゆっくりと時間を過ごし、早めに床に着きました。
こちらのお宿・・・布団はセルフサービスで自分で敷く事になっています。
さて、翌朝、早めに起きて朝風呂へ・・・
ところが山の寒さを甘く見ていました。
湯船に飛び込んだ途端、震え上がりました。
温泉の上の方は温かだったのですが、底の方は冷たいぬるま湯・・・
夜間に冷やされたお湯が、底の方に溜まっていたのです。
道理でお湯をかき混ぜる道具が備え付けてあったわけです。
慌てて、湯船から飛び出し寒さに震えながら湯船をかき混ぜると程よいお湯加減になりました。
ところがゆた~っと極楽を楽しんでいると冷たい水がまた忍び寄ってくるではありませんか・・・
余りの寒さのため、お湯がすぐに冷やされて下に沈んでくるのです。
これでは下手すれば風邪を引いてしまいます。
早々に温泉から上がり、朝食を摂るために母屋へ向かいました。
朝食は8時から・・・。
玄関に入ると入り口にストーブが焚かれていました。
女将の心遣いに感謝しながらテーブルに着きます。
真ん中が冷奴。左が鱒の焼き物。それに山菜や山里の野菜を使ったお漬物や切干大根など、ヘルシーなメニューです。
昨夜も感じたのですが、水が美味しいためかご飯がとても美味しいのです。それと味噌汁も多分自家製味噌を使用しているのでしょう。香りが良くてとても美味しかったです。味噌汁が余り好きでない子ども達も“ここのお味噌汁は美味しいよ”といって食べていました。
朝食の後は、宿ののサービスで道路を挟んで宿の前にある“茶房 蔵”で珈琲を頂きました。
こちらがその“茶房 蔵”です。昔の蔵を利用して喫茶室が設けられていました。
店内にはちょっとしたお土産も売られています。
こちらの手作りプリンが美味しいという事を聞いていたので、サービスの珈琲だけでは何だったので注文してみました。
値段は300円。ただし宿泊客はサービスで200円になります。
大きな器にたっぷりとプリンが入っています。
カラメルのほろ苦さもちょうど良く、昔懐かしい味がしました。
何か、こんな空間って凄く落ち着けますよね。
この“御宿 泉水”。
一泊の宿泊料はなんと、大人一人8500円なんです。
あれだけの料理が出て、温泉も楽しめてこの値段って凄いと思いませんか?
どうりで予約が取れないわけです。
本当に満足の行く温泉宿でした。
静かな温泉地で美味しいお料理を食べたい方にはイチオシの宿です。
ただし、予約が取れればの話ですが・・・
“御宿 泉水” http://www.mjnet.ne.jp/sensui/kannai.htm
さて、この湯坪温泉の旅日記も次回が最終回。
次回は、大分県中津江村の鯛生金山をご紹介します。
コメント
- yut666 [2010年1月14日 20:18]
- こんばんわ。
寒い冬は温かい温泉宿でゆっくりするのが、何よりの贅沢ですよね。うらやましいなー。
お料理もとても美味しそうですし、これで8500円は安いですよね。関東近辺はこのコストパフォーマンスに匹敵する温泉宿はないと思います。
ただ、山形県の温海温泉は、やはり穴場ですが、素晴らしいコストパフォーマンスでしたよ。 - まめ八 [2010年1月15日 18:50]
- yut666さん、こんばんわ。
続けてのコメント、有難うございます。
山形の温泉かぁ~。
行ってみたいですねぇ~。
東北は福島と宮城しか行った事がありません。
山形とか秋田、青森なんか憧れます。
きっと雪景色の中、暖かい温泉と山の幸が楽しめるのでしょうね。 - きなこ [2010年1月18日 0:02]
- 続けてお邪魔します。
すごいお値打ちな宿ですね、まずは建物の佇まいなんかが気に入りました。
趣がとってもあるというか・・・。
海に近い温泉も○ですが、山の幸をいただくことができるようなところのほうが
冬に訪れるには良いと思います。
朝食も夕食もどこかにあたたかみがあっていいですね。 - まめ八 [2010年1月18日 21:27]
- きなこさん、こんばんわ。
続けてのコメント、有難うございます。
なかなかリーズナブルな宿でしょう?
しかも昭和の香りが漂う、いい雰囲気だと思いませんか?!(^O^)
私は、海にしても山にしても美味しい料理を食べさせてくれる宿があれば何処にでも行ってみたくなります。
ご指摘の通り、こちらの宿のお料理は何処となく家庭的な雰囲気がありました。 - にーなな [2010年1月30日 15:11]
- こんにちは。
続けてお邪魔いたします。
温泉旅行といえば、やっぱり美味しい食事ですよね。。とても雰囲気の良い旅館ですね。創作料理も美味しそうです。
8500円。。かなりお得だと思います。
温泉いきたくなります~。笑 - まめ八 [2010年1月31日 20:09]
- にーななさん、こんばんわ。
3連続コメント有難うございます。
こちらの旅館は本当に穴場的な宿で、贅沢感は全く無いのですが何処と無く懐かしい感じがするアットホームな所でした。おまけに食事も美味しくてリーズナブル。。。
人気宿だけのことはありました。
今回宿泊できたのも、たまたまキャンセルが出たためだったので運にも恵まれていたのでしょうね。
春か夏にまた行ってみたいと思いました。 - おぺ [2010年2月7日 22:14]
- こんばんは、おぺです。
人気の宿を満喫できて良い思い出になりましたね。
歴史があって、でもどこかホッとする懐かしい田舎くささが趣きを一層引き立ててるんでしょうね。 - まめ八 [2010年2月8日 19:03]
- おぺさん、こんばんわ。
3連投、有難うございます。
この宿は、最初ぱっと見には山間の古びた民家のような感じで、少しガッカリしたのですが、時を過ごすうちにその良さが解ってきました。
温泉と美味しい料理以外、何にも無いという素朴な所が良かったのかもしれません。
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