前回に引き続き、夏休みの小旅行についてのレポートです。
いつもならココで宿のお食事を紹介するところなんですが、この「旅館 白滝」さんは、古民家風の大広間での食事だったので、他のお客さんの目もあって写真撮影はパス。。。
でも写真でご紹介出来ない位、内容が充実してとても美味しかったですよ。お腹一杯頂きました。
温泉でリラックスした上にアルコールが入った事でまめ八は撃沈
数か月ぶりに深ぁ~い眠りにつくことが出来ました。
翌朝、目が覚めて部屋のテラスに出ると本当に綺麗な青空が広がっていました。
コレぞ、夏の空です。
朝風呂を楽しんだ後、朝食を頂き宿を出発。
向かう先は筋湯温泉からほど近い九州電力の八丁原地熱発電所です。
この八丁原地熱発電所は、日本で一番大きな地熱発電所です。
福島の原発事故以来、日本の電力政策が見直されつつある中、コレからのエネルギーという事を考えさせようと考えて、息子の「夏休みの自由研究」として見学させて貰う事にしました。
その入り口です。
この八丁原地熱発電所の敷地内には八丁原発電所展示館があり、年末年始と定期点検時、荒天時以外は毎日見学出来るそうです。
開館時間は9時~17時で、事前の申し込み等の必要はありませんが、見学者が多い場合には入館制限があるそうなので事前に確認をとっておいた方が良いと思われます。
ちなみに、まめ八達は比較的早い時間であったために事前予約なしですぐに見学が出来ましたが、その後大型バスが2台到着して沢山の見学者がやって来たので、まめ八達が見学を終えた時には入り口は見学待ちの人たちでかなり混雑していました。
館内には地熱発電に関係する実物やパネルが展示してあって、余り馴染みのない地熱発電についてとても解りやすく解説されていました。
コレは蒸気井を掘るために実際に使われた掘削機のヘッド部分です。
地熱発電の仕組みについて解説されたパネル。。。
ところで、ご存知の方も多いとは思いますがココで地熱発電について簡単に解説させて頂きたいと思います。
地熱発電とは、文字通り、地下水がマグマの熱によって蒸気化した高圧の水蒸気を利用してタービンを回し、その力で発電機を動かす発電方法です。
利点としては、
①発電に必要なウランや石油、石炭、天然ガスなどの1次エネルギーをほぼ100%海外からの輸入に依存している火力発電や原子力発電とは異なり、発電に必要な1次エネルギーを100%国産で賄うことが出来る。
②二酸化炭素や放射線などを出さない事から環境に優しい(但し、無公害ではない)
③原子力発電や水力発電に比べると建設費用やランニングコストが安く済む。
③火山が多い日本にあって、発電所の建設に適した場所が多い。
・・・等々。。。
反面、欠点としては、
①一ヶ所の発電所の発電能力が、他の発電方式に比べると低い。(発電効率が悪い)
②地下の水蒸気を利用するために、周辺地域の地盤沈下などを招きやすい。
③火力発電に比べると建設コストが高い。
④建設に適する場所が火山の傍になってしまうため、観光地になっている事が多く、景観上地元の理解を得にくい。
等々。。。
う~ん、息子だけではなくまめ八も勉強になりました。
地熱発電は一般に思われている程、期待が出来る発電方法ではないみたいですねぇ~。
展示館のお姉さんが施設内を案内してくれました。
発電所の施設はまるで化学工場みたいに色々な機械やパイプがありました。
ただ、硫黄の強い臭いがココが地熱発電所である事を主張していました。
地底から吹き出した高圧の水蒸気はタービンを回す動力として利用された後、冷却装置によって冷やされ、下の画像のように一旦水に戻されます。
その後、この水は再び地下に戻されて地熱によって水蒸気になるのだそうです。
何故、このような面倒な事をやっているのかというと、水蒸気(地下水)の組み上げ過ぎによる地盤沈下を防ぐためなんだそうで、環境を守りながら発電を行いという事が如何に難しくてコストがかかるのかという事を改めて知ることが出来ました。
屋外施設の後に発電所建屋内部も見学させてくれました。
発電所の制御室です。
この八丁原地熱発電所は、約2㎞離れた大岳地熱発電所によって遠隔操作・制御されているために、定期点検時以外は無人で運転されているそうです。
タービン部です。
三菱重工製でした。
ちなみにこの建屋は住友重工製です。
旧財閥系ばっかり。。。
子どもの「夏休みの自由研究」ための見学だった八丁原地熱発電所の見学でしたが、大人のまめ八の方が勉強になりましたよ。イヤ、ホントに。。。
実際、この日もまめ八が見学をしていた時間だけでも想像以上に漢学者が多いことには驚かされました。
福島の原発事故以降、多くの人たちがコレからの電力事業について関心を持っているかという事を目の当たりにした思い増します。
さて、昼前に八丁原地熱発電所の見学を終えたまめ八達は、九重山麓の原野を次の目的地に向けてドライブ。。。
これぞ高原の夏
サイドウィンドウを全開にしてヒンヤリとした高原の風を感じながらの心地よいドライブが続きます。
柔らかな緑の稜線。
真っ青な夏空。
そして、ボリュームある雲が手が届きそうなトコロをゆっくりと流れていきます。
こんな景色を眺めていたら、ココ数ヶ月の仕事の疲れや対人関係(クレーム処理)にイライラなど吹っ飛んでしまいました。
そんなイライラや悩みなんて小さい、小さい。。。
以前、このブログでもご紹介した事のある阿蘇・九重山系に見られるヒゴタイが路肩の原野に自生していました。【過去記事】
この画像をご覧頂ければ多くの言葉は必要ないでしょう。。。
車好きで運転が好きならば、きっとこの道を走ってみたくなるハズですよね?
コレが九重高原の夏です。
九重高原を後にしたまめ八の次の目的地は、ココ。。。
玉石を敷いた湯船の底から温泉が湧いているという大変珍しい“川底温泉”です。
この温泉、画像の看板にも書かれているように、都を追われた菅原道真が開いたという伝説が残る、平安時代から続く温泉なのだそうです。
しかも、この温泉は今時珍しい混浴 ・・・ って、オイオイ
この温泉には「旅館蛍川荘」という温泉宿が一件だけあるだけです。
この「蛍川荘」は江戸時代から続く老舗旅館で、件の大浴場はそのころにつくられた物なのだそうです。
混浴という事で変に胸が高ぶったまめ八(子ども連れの立場で不謹慎なオヤジ。。。)でしたが、残念ながら?温泉に浸かっていたのはオッサンばかり。。。
まぁ~老舗温泉宿だけあって若い女の子が足を運ぶにはチョイと勇気が必要な位くたびれていたので仕方ないけど。。。
ちなみに、件の大浴場から少し離れた所に女性専用風呂があり、女性のお客さんはそちらを利用されていたみたいです。
ああ・・・肝心の温泉はどうだったかって?
温泉がある建物自体はちょっと古くて昼間でも薄暗い感じでしたが、湯量が豊富で勿論源泉かけ流し。。。ちょっと鄙びた温泉に行ってみたい方にはピッタリくるシチュエーションです。
玉石が敷いてある湯船は足の裏がチョット痛かったのですが、湯船に浸かるとお尻の下からお湯が沸いてくるのが体感出来て凄く気持ちが良かったですよ~。。。
ただし。。。色々な意味で?女性がこの大浴場に入るにはかなりの勇気と覚悟が必要です。(キッパリ)
由緒ある川底温泉を楽しんだまめ八達は、その後小国を抜けて家路に付きました。
その途中で珍しい光景と出くわしました。
コレがその画像。。。う~ん、解りにくいかな?
眼下に見える虹です。
カルデラに囲まれた阿蘇ならではの風景です。
典型的な“安近短”になった今年の夏休みの旅行でしたが、まめ八にとっては疲れ切った心と体を十分に癒してくれた、そして子どもたちにとっては「夏休みの自由研究」の見学が出来た有意義な旅となりました。
パソコンや書類と睨めっこばかりしているアナタ
タマには大自然の中に出かけて心の洗濯をして下さいネ。
癒されますよぉ~
(完)
コメント
- 宮ちゃんNO1 [2012年9月15日 8:25]
- おはよ~ 宮ちゃんで~す!
お子さんの夏休み自由研究のテーマとして行かれた?
地熱発電所・・・やはり震災後・・・皆さん注目して居るんですネ!
でも・・・ブログに有りましたが・・・思っている程
原子力・火力発電には及ばないようで・・・少し残念な気がしますが
熱交換で発電?って出来ないのかな~何て思う宮ちゃんでした(笑)
やはり・・・阿蘇周辺には良い温泉が多いようデスね~
う~ん・・・自分も混浴気に成りますが(爆)
そこは大人のまめ八さん・・・偉いな~
ホント・・・残暑が厳しくて現在夏バテ気味
温泉にでも入りたい気分デス(笑々) - ビックなトトロ [2012年9月15日 23:06]
- こんばんは~。
そうなんですよね~。
子供達の勉強が私達の勉強になってしまいますよね。
しかし今回のブログで私もしっかり勉強出来ました\(^o^)/
ありがとうございます。
高原走ってみたいです。
しかしガードレール無ければ更にいい感じですね(^_-)-☆ - まめ八 [2012年9月16日 10:22]
- 宮ちゃん、おはようございます。
いつもコメントを頂き、有難うございます。
福島の原発事故以降、皆さんクリーンエネルギーには関心があるみたいで驚く位沢山の見学者が来られていましたよ。
先日、経団連会長が「原発0目標」に対して抗議をしていましたが、電気代の値上がりや対米関係の悪化などを危惧するのは解るのですが、最終的には「人の命(生活)と金のどっちが大切なんじゃい?」という根本が欠落しているようにしか思えません。ココの部分を抜きにしての原発再稼働では絶対に国民は納得しないと思いますよ。 - まめ八 [2012年9月16日 10:31]
- ビックなトトロさん、おはようございます。
いつもコメントを頂き、有難うございます。
実をいうと、私自身、「何故、地熱発電所がもっと注目されないのか?」という事に常々疑問を持っていたのでとても勉強になりました。
かといって、震災前と同じような原発推進政策には絶邸反対だし。。。
次世代エネルギーの開発が行われるまでは省エネが一番の対策だと思います。
ところでガードレールの件ですが、こうした原野の中の道ではガードレールが無いと抑えが利かなくなって夏草が道にまで繁茂してしまうんですよ。
道の両側から草がはみ出してきて、道路の中央部に一車線分位しか車が走るスペースが無くなっている場所って結構多いんですよ。!(^O^) - ヴェル24 [2012年9月16日 11:12]
- こんにちは。
普段何気無く使っている電気ですが、発電には多大なエネルギーが必要なんですね。
阿蘇の雄大な景色はドライバー心をくすぐりますネ。
近場にこんな景色がみられるのところが欲しい! - まめ八 [2012年9月16日 19:45]
- ヴェル24さん、こんばんわ。
いつもコメントを頂き、有難うございます。
コレまで原発、水力発電所、そして今回地熱発電所を見学した訳ですが、どれも巨大なプラントでした。
コレ等を建設し、維持・管理していくためには、莫大なコストが必要であろうことは一見すれば容易に理解できます。
しかも電力は国民生活や経済活動にとっては生命線。。。
東京都副知事の猪瀬氏は電力事業の独占化を改め、新規参入と自由競争を取り入れるべきだ!なんて言っていますが、現実的には机上の空論だと思います。(・・・この人が小泉時代に強力に推進した道路公団の民営化も大都市圏では変化があったかもしれませんが、言われていたような理想の状態からは程遠い状況です)
コレだけ重要で資本が必要な電力事業であるならば、いっそのこと国有化した方が良いと私は思いますよ。
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