最近、熱帯魚ネタが増えてきました。
これまで手を抜いてきた分、まともな水槽に戻そうとすると、次から次へとやらなければならないことが出てくるんですよね。
というわけで、今回も熱帯魚ネタです。
エンゼル君をメダカ水槽に移して空いた60㎝水槽に新しい魚を入れたのですが、今までに経験が無いほど“落ち”が多く、特にヤマトヌマエビの生存率が極めて悪いので、原因を突き止めるべく水質チェックを久し振りにやって見ました。
まず、試験紙を使って、亜硝酸、硝酸の濃度とPh及び硬度を測定します。
測定結果が下の写真。
これを容器に印刷された対比表と比べてみます。
まめ八の水槽は、リセットしてから1年半が経過していますので水槽内のバクテリアも育っているのでPhを除いては特に大きな問題はありませんでした。
ところがPh測定の試薬を使って調べてみた所、熱帯魚水槽にしてはやや強めのアルカリ性になっている事が判明しました。
下の写真が水道水のPh測定結果です。
Phが7.0が中性。これよりも数値が低いと酸性、高いとアルカリ性を示します。
色で言うなら、黄緑色が中性。黄色っぽくなれば酸性。青味が増すとアルカリ性を示します。
熊本市の水道水は良質の地下水なので殆ど中性なのですが、消毒用のカルキ(塩素)が入っているために弱アルカリ性を示しています。
ちなみに、水道水の水質はHPで公開されていますので、“〇〇市水道水 水質”で検索すれば簡単に見ることが出来ますよ。
毎日飲む水ですから、一度ご覧になられる事をお勧めします。
さて、この試薬を使って水槽の水のPhを測定したところ・・・
うへぇ~!
凄いアルカリです。
一般に熱帯魚は、弱酸性を好むと言われています。
特に、エビ類や水草などはアルカリに弱いのですが、まめ八の水槽はPh8.5もありました。
どうりで水草が育たないし、エビも落ちが多いはずです。
迂闊でした・・・
アルカリが水草を枯らし、エビの落ちの原因であることが解りましたので、次は何が水槽の水をアルカリに変えているのかを突き止めます。
水槽の水がアルカリに傾く理由は幾つかありますが、その中で最も可能性が高いのがアルカリを発する物質が水槽の中に存在しているケースです。
まめ八の水槽で一番怪しいのが底床でした。
熱帯魚水槽の底に敷く砂利などを、底床と呼びます。
底床には大きく分けて、大磯砂やサンゴ砂などの自然の物と、ソイルと呼ばれる人工的な顆粒状の土があります。
自然石の砂利は、掃除等のメンテナンスや半永久的に使えるなどのメリットがありますが、中には水質に影響を与える物や、肥料不足になりがちなど水草を主体とする水槽で使用するには、ある程度の技術が必要です。
一方のソイルは、水草を主体とするアクアリウムのために開発されたもので、園芸用の赤玉土同様、粘土質の土を低温で焼き固めたものです。肥料やPh安定剤が染み込ませてあり、硝酸やアンモニア等を吸着する作用もあります。(製品によって違いがありますが・・・)そのため、水質管理がやりやすく、初心者でも比較的簡単に美しい水景を作ることが可能です。その反面、土を焼き固めて作ったソイルは、1年位使用していると粒が壊れて泥状になってくるので定期的な交換が必要となります。また、ソイル自体に肥料が含まれているので、肥料を過度に与えてしまうと思わぬ苔の大発生を招く心配もあります。
まめ八が使ってきた底床は、化粧砂といって水槽を美しく見せるために売ってある自然石でした。
ホームセンターで特売で売ってあった安物を1年半前のリセットの時に買ってきて使っていました。砂の粒を注意深く観察したところ、どうも白っぽいサンゴか貝らしき粒が散見されます。
サンゴや貝殻はカルシウムの塊ですから、ここからアルカリが溶け出している可能性があります。購入の際にもっとしっかりと見て買えばよかったのですが、美しさと破格の値段につられて衝動買いしてしまったのが悔やまれます。
早速、いつもの熱帯魚用品店“ブルーファンタジア”に行き、ソイルを購入。マーフィード社の“コントロソイル・パウダー”、10ℓで1680円。いつもながら破格のお値段です。
うっかりして使用前の写真を撮り忘れてしまいましたので摂り合えず袋だけでも・・・
さぁ、これからが大変です。
水槽内の熱帯魚や水草など生体を水槽から出し、水を抜きます。
この水は、バクテリアの宝庫でもある宝の水なので捨てずに取っておきます。
それから、子どもが砂場遊びで使っていたプラスチック製の小さなスコップで底床の化粧砂を全て掬い取っていきます。
せっかくですからこの際、水槽もきれいに洗ってあげるために濾過装置の給排水パイプを全て取り外し、照明やヒーター、水槽クーラー用のファンも外します。
水槽にキズを入れないように外へ運び出し、たわしを使って苔等をきれいに落としてやると少し見栄えがよくなりました。
水槽を元の場所に戻して、濾過装置のパイプ類やヒーター等をセットしてからソイルを水槽に入れます。後から水景をレイアウトしやすいように水槽手前を低く、奥を高くするように傾斜をつけて敷くのがポイントです。
この時にベテランの方は底床に固形肥料を施すようですが、育て易い水草しか植えるつもりのないまめ八は苔が怖いので施肥はしません。
次に、石などの基本レイアウトを決め、水草を植えてから汲み置きしていた水槽の水を少しずつ、静かに注いでいきます。
半分以上、水を入れてから濾過装置を作動させて水の濁りを除去します。また、その間を利用して、新しい水槽の水と生体を入れたバケツの中の水(元の水槽水)との水あわせをやっておきます。
水の濁りが取れ、水あわせが終わってから生体を水槽に戻してやります。
最後に、照明器具とクーラー用ファンをセットして作業終了。
ほぼ、3時間の大変な作業となりました。
底床交換後です。前の写真と比べてみて下さい。
http://gazoo.com/G-blog/mamehachi/150821/Article.aspx
さて、問題の水質は・・・
先程のPh試験薬を使って調べてみると・・・
あれだけ強かったアルカリが中性よりもやや酸性に傾いた弱酸性(Ph6.8位)になりました。
やっぱり底床が原因だったようです。
さて、せっかくソイルを入れたことだし、水槽もきれいになった事だから水草をもう少し増やしてみようかな。
コメント
- ゆきchan [2009年9月20日 19:53]
- こんばんわぁ。水の性質を調べるのって凄く大変なイメージがあります。自分の家庭でも一度よく調べてみないとですね。毎日使っているんだし。
- まめ八 [2009年9月20日 23:32]
- ゆきchanさん、こんばんわ。
コメントを頂きまして有難うございます。
水質を調べる事自体は難しいことはありません。
便利な検査試薬がホームセンターの熱帯魚コーナーで売られています。
ただ、どんな水がいい水なのか?ということは少しばかりの知識が必要です。
一般的に言えば、自然界では貧栄養水=弱酸性=水がきれい。富栄養水=アルカリ性=汚れた水。となります。
ただし、これが必ずしも人体に当てはまるかというとそうではなく、食生活の偏りや喫煙、飲酒の習慣がある人間の場合、弱アルカリ性の水の方が健康に良いと言われていますよね。
水は難しいです。(-。-;) - やげん [2012年3月21日 23:58]
- こんばんは☆
初訪問のです。
水槽立ち上げ→レイアウト失敗→悶々
こんな現場で検索して、
流れつきました…
うちの底砂もコーラルサンドを多く含んでいて魚も泳いでいます。
リセットか、水交換時に吸い出してく悩んでます…
やっぱり魚の為にもphを下げたいものです(´・ω・`)
お邪魔しました(´・ω・`) - まめ八 [2012年3月22日 22:32]
- やげんさん、こんばんわ。
それから初めまして!
この度は、コメントを頂き、有難うございます。
さて、底砂にコーラルサンドが含まれているという事ですが、出来るならば底砂の交換をお勧めします。
やげんさんが仰る通り、Phがアルカリに偏っていると魚にとっても良くありませんし、水草の成長も大きく阻害されてしまいます。さらには、水草水槽のとって一番の大敵であるコケの原因にもなります。
ココは思い切って底砂をソイル系に変えてみられては如何でしょう?一時的ではありますが水質が弱酸性になりますからその間に水質管理をしっかりと行って水作りを済ませてしまうのが一番良い方法かと思います。
まぁ、私の場合もエラそうなこと言える立場ではないのですが。。。(;^_^A
コレからのご健闘をお祈りしております。
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