二見伸明氏の悪党論 8/08
本日は二見伸明氏の渾身なる論評に感銘を受けました。
誠に僭越ながら「二見伸明氏の悪党論」を以下ご紹介したく思う次第です。
「悪党」待望論 ── 菅総理はどうする?
小沢一郎は「悪党」である。もしかすると、とてつもない「大悪党」かもしれない。なにしろ、日本の歴史上初めて、「国のかたち」を変え、国民主体の国にしようというのだから。
■元の木阿弥じゃ ── 熊と八の憤りと嘆き
「えっ、憲法には国民が主権者と書いてある? 冗談じゃねえ。実際には、一番偉いのはお役人よ。国会議員なんざ、お役人の手のひらで踊る人形だ。地元では威張りくさっている知事や市長さんだって、毎年暮れになると、補助金欲しさに、揉み手して、役所にお百度詣りさ。それを地元の支持者たちは『中央に顔が効く』と、ばか丸出しで、感心してるってわけさ」
「ペコペコ頭下げて、補助金なんかもらいに行かなければいいのに」
「そりゃあ無理だな。今の仕組みでそんなことしてみろ。県も市も何の仕事もできねえ。学校の校舎の改修にしろ、保育所作るにしろ、何から何までお上にお伺いを立て、お許しをいただき、補助金をもらわなければ、何にも出来ねえ仕組みになっているのだ」
「つまり、知事も市長も、補助金で首根っこを抑えられているってわけか」
「補助金をやめて、その金を地方に『自由に使え』って仕組みに変えちまえばいい。そうすりゃ、知事は補助金もらいに上京する必要はないし、その分、カネと時間の節約にもなる。ところが、役人は、本音では大反対よ。地方に睨みが効かなくなるし、天下り先がなくなるから。補助金だけじゃねえ。役人は、独立行政法人や特別会計など、何から何まで、改革には反対なのさ。本気で変えるには、命を捨てる覚悟がなけりゃ出来ねえよ」
「事業仕分けなんて、格好いいじゃねえですか」
「役人は利口だから、議員さんの顔が立つように塩梅してくれるが、肝腎要なところは絶対に見せねえよ。それより、政治が財務省の下請けになるのでは、と心配だ」
「政治主導だろ。大臣が一喝すりゃ、役人は言うことを聞くんじゃねえんですかい」
「そんなわけにはいかねえな。普天間問題では、新米の総理大臣の言うことなんか聞いていられるかってんで、外務省、防衛省はサボったらしいな。棚ぼた総理の菅なんて、役人にかかっちゃ、赤子の手を捻るより簡単さ。『これを言えば歴史に名を残す名宰相ですよ』なんて甘い囁きに舞い上がっちまって、『消費税、消費税!』とは、正気の沙汰じゃねえ。これじゃ『これからは、俺たちが主役。国民の生活が第一の時代が来た、と喜んだのも束の間、元の木阿弥にしたのは菅じゃねえか』と怒るのは当然だろう」
「俺たちゃ、鼻もひっかけられねえってわけか」
「あたぼうよ。お役人は、昔で言えば『士農工商』の『士』。五百石、千石取りのお侍だ。首にならねえし、辞めた後も、天下りで小遣いを稼げる。一番えれえ事務次官の退職金は八千万円から一億円だぞ。大会社の社長だって、役人から見れば『工商』さ。要所要所に役人の目が光っている仕組みがある。熊さん、八つぁんの暮らし向きになんぞ、興味はねえんだ。
役人の世界には『5%理論』なんて、信じられねえ考えがある。たとえば、学校の成績表の『5』はクラスの5%、1,2名だ。東大なんぞの『一流』大学出身の、一握りの『オール5』組が行政を握っていれば、国家は大丈夫という思い上がりだ」
「どうすりゃいいんだ、ご隠居?」
「電気紙芝居で、飛んだり跳ねたりしている政治家や、かわら版屋は『気楽な稼業ときたもんだ』だ。お役人が支配する国を、わしらが主人公の国にしようってのは、並大抵ではねえ。命はいくつあっても足りねえくらいだ。そんな土性骨のある奴、なかなかいねえ。そんな奴を探がそうじゃねえか」
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