いまから2年前、宝塚に突然頻繁に通うようになってしまった(といっても結局数回で終わったけど)原因でもある、
個人的「推しスター」音月桂さんが、退団後初めて舞台、しかもミュージカルをやる、ということで、
これは1回は見なければイカン、と勇んでチケットを取った「ブラックメリーポピンズ」を見に行って来ました。
7/11 ソワレの回です。
この日のお昼に観た「ネバーランド」が、予想の遥か上を行くすごい作品だったので、
どうしてもその余韻を引きずりつつの観劇になってしまいました。
青山劇場から渋谷へ、渋谷から世田谷へと移動しながら、ネバーランドの世界観を振りきれず。
ただ、世田谷パブリックシアターも、1回来てみたかった劇場だったので、行くの楽しみにしていました。
今回の出演者は
音月桂/小西遼生/良知真次/上山竜司/一路真輝
主要メンバー5名のみの、緊張感あふれる舞台でした。
とにかく全員、歌がうまかったです。
びっくりしました。
音月一路の雪組スター街道のお二人は言わずもがなですが。
(ちなみに、ネットをあさっていたら次回エリザに桂さん決定 という情報が…
ホンマかい!! それは、ぜったい複数回観に行く……!)
やっとNOBUママや浜さん以外の、本業の小西くんも見ることができてよかった。
旋律難しいところも難なくこなすわ小顔でスタイルいいわで、舞台向きだなーと思いました。
今回、事前にまったくもって知らなかった人は上山くんだけかな。
で、いま調べたらRUN&GUNの人でした。もう卒業されるそうなのですが。
ふつうに「劇団四季の若手プリンシパル系か?」とか思っていた。なんか雰囲気がそんなかんじだったの…。うまかったの。
あと、良知くんといったら、個人的にはすごく、「ジャニーズの人」という印象だったんですが、
調べたら2001年で辞めてたのね。しかも、来歴がジャニーズ→劇団四季→東宝とな!
ちょっと、詳細よくわかんないんだけど、すごい執念とすごい才能なんだろうなというのが、なんとなくわかります。
話が横にそれてしまうけど、中学校ぐらいのときの私の同世代ジャニーズって、本当にジュニアが花盛りの
盛りだくさんの時期だったんですよ。(96年~2000年ぐらいの時期かな?)小原裕貴くんとかちょっと単体で別格だったし、
二宮くん、櫻井くん、風間くん、生田くん、関西の渋谷すばるくん、
そんな中に居るめずらしい苗字の良知くんはなんとなく知ってはいる、という感じだったけど、
あの黄金期のジャニーズジュニアの中にいたのかと思うと、かなり揉まれてるだろうと思うよね。
そんで今調べたらあれだ!「AUTRIBE」っていうユニットもやってるって、
コレ、アニメ弱虫ペダル第二期のエンディングの曲歌ってた人たちだ!!
しかもこのリーダーの植木さんてよく見かけるアクション指導の……
なんか、かっこいい系だけど若干おっさんくさい不思議な人たちが出ているなと思ったらば…
あ、そうか、アニペダは制作に東宝が入っていたから…… ああ包囲網… 恐ろしい包囲網が……
ということで思わず記憶の淵をたどる流れになりましたが、本筋に戻ります。
お話は非常に見ている方がウツになる感じ。
観ていてとても疲れたというのが正直なところです。
「心理スリラー」という銘打ちで、ワンシチュエーション、部屋の中で話が進む。
一路さん以外の出演者が4人の養子、一路さんがその家庭教師ということで、
現在と過去(15年前)のシチュエーションが行ったり来たりしながら、
過去に起こった辛い記憶を呼び起こしていくのだが、最終的にほんとに救いがないんですよ。
かわいそうになっちゃう。
あと、終盤あきらかになっていく真実がとても辛いからなのか、子供時代を演じているシーンで
4人がやたら明るく子供っぽくふるまっているのだが、衣装は大人のままなので、
そこになんともいわれぬうすら寒さというか、恐怖を感じた。
うーん、あれも演出の計算だったのだろうか… だとしたらとても怖い。
それが良いのか悪いのか分からないけど、なんか怖かった。
ストーリーじたいはそんな込み入った話ではなかったので、先が読める展開だなと思って
若干退屈しつつ最後まで見たんだけど、やっぱりちょいちょい挟まれる回想が現在と
ほぼ場面転換せずに進んで行くことの違和感が、独特のイヤーな効果を生んでいたような気がする。(一応ほめてる)
全体的に音楽はすごく繊細だなと思って、よく録音なのにあんなにピッタリタイミング合わせられるなぁ、
練習しまくったのかしら… と思っていたら、実は生演奏だった(舞台の奥に居た)ことがカーテンコールの、
三方に張られたカーテンが外されたときにわかり、びっくりしました。ぜんぜん気付かなかった。もったいなくない?
これ以外にもなんというか、いろいろと贅沢な使い方をした舞台だなという感じがあって、
この5人の実力派をそろえれば、もっとなにかすごいイリュージョン的なものが生み出せたのではないのか?
ということを感じてしまった観劇だった。ものすごい熱演だったし…
でもお話の内容的に、閉鎖された空間にいる抑圧された子供たちの話なので、あれでよかったのかな。
というか、なんか観終わった後は後味が悪い話だったせいか、
ネバーランドからのギャップがすごかったせいか、
(それともマチソワの間に自分の仕事のトラブルが発生したことによりイライラが頂点に達していたせいか… ←たぶんこれ)
ダメ!この舞台ハズレ!!! と思っていたんだけど、
いま振り返ったらそんなこともなかったような気がしてきた。
少なくともなぜパンフレットを買わずに帰ってきたのかということだ。毎回買ってるのに。
今から買い直しに行きたい。
でも、桂さんは個人的には「陽」の雰囲気が合うと思うので、
陽気な女性の役も見てみたいなあと思った次第です。
女役の違和感はほんとに、ぜんぜんなかったです。天海祐希路線、いけるんじゃないか!?