太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

旅先の朝食

2019-05-03 07:52:40 | 日記
旅先での、朝食が好きだ。
日本の旅館の朝食の、おひつに入った白いご飯の甘い香り。
ホテルの、和食か洋食か選べるのも、
よりどりみどりのバフェスタイルも、
朝日の入る部屋に運ばれてくるルームサービスの、目にまぶしい白いクロスも、
アメリカの田舎の、モーテルに近いホテルの、コーヒーとマフィンだけの朝食も、
どれもわくわくする。
普段は飲まないオレンジジュースを飲んだり、
焼きたてのぱりぱりのワッフルに、たっぷりシロップをかけたり、
家ではカロリーが怖くてチビチビ使うパンケーキのバターも、
たっぷりと塗る。
非日常の開放感が、いい。


家で食べる朝食は、フルーツとコーヒー(私だけ)は定番で、
最近はそれに、スクランブルエッグ、しめじのソテー、ソーセージ、
あるいは納豆、たっぷり生姜とチアシード入りの味噌汁
味噌汁は、そばちょこを使う。
たっっぷりと生姜をおろして、そばちょこに入れる。
粉末の出汁を少し入れて、沸騰したお湯を注ぐ。
味噌をといて、チアシードをスプーン山盛りと、ネギを入れてかき回す。
鍋を使わなくて済むし、具もいらない。
これはどちらかが風邪気味のときに作るものだったが
この冬は一段と寒かったので、毎日食べるようになり、
暖かくなった今も、昼間、冷たい水をたくさん飲む夫のために毎朝続けている。
生姜ニンニク信仰が私にはあって、
とにかく生姜とニンニクで身体を温めとけば健康にいいのだと思っている。
この味噌汁の話をしたときに、
「えっ、それじゃあインスタントじゃないの」
と言った日本人がいたけれど、その人はしっかり出汁をとる人なんだろう。
そのほうが美味しいのだろうけれど、それじゃあ私は続かない。

他の人たちは、いったいどんな朝食を食べているのかというと、
子供がいればシリアルに牛乳。
食べない人も多い。
仕事に行く途中でドーナツなんかを買ったり、
セブンイレブンで売っている朝食弁当を食べている同僚もいる。
この朝食弁当、ご飯の上にスクランブルエッグとソーセージが3本載っているだけの、炭水化物弁当。
うちなんか、そうとうまともな朝食だ。

チューブローズ

以前から欲しかったチューブローズ。
ローズという名前だけれど香りはジャスミンに近い。
とっても素敵な香り。






人の人生

2019-05-01 08:02:28 | 日記
人の人生に、圧倒されることがある。

ハワイで旅行代理店をやっている、小林さんという人がいる。
小林さんは両親が日本から移住してきた二世で、ハワイで生まれた。
日本人なのだから、日本や日本語も知っておいたほうがいいという両親の勧めで、日本の中学に入った。
まもなく戦争が始まり、満州の高校に行けば兵役を免除されるということで、
小林さんは満州の高校に入った。
数年後、日本は敗戦。
満州にソ連軍がやってきて、紙を配った。
その紙には、自分が兵隊であったか、学生だったか、という質問が書いてあり、
兵隊だと答えるといくばくかのお金がもらえる、という話だった。
まわりの生徒達はこぞって「兵隊」に丸をつけたが、小林さんは嘘をつきたくなかったので「学生」に丸をつけた。
兵隊に丸をつけた人たちは、お金をもらえるどころか、列車に詰め込まれてシベリアに送られた。

その後、牛乳を日本人の家に配達する仕事をしたりしながら生き延びて、
何年もかかってようやく日本に戻ってきた。
広島の田舎に住む母親に会いに行くと、息子の痩せさらばえて、ボロをまとった姿を見て、母親は幽霊かと思ったという。
小林さんは上智大学で学び、ハワイに戻ってきたときには、殆ど英語を忘れていた。
日本人相手のホテルを両親とともに始めて、ホテルの片手間にやっていた旅行代理店が、今は本業となった。

山崎豊子の「不毛地帯」のモデルになった瀬島龍三氏しかり。
百田尚樹の「海賊と呼ばれた男」のモデルになった出光氏しかり。
「流れる星は生きている」の藤原ていさんしかり。
いいことも悪いことも、誰でも人生ならしたら同じだ、と母は言ったけれど、
そうでもない。
私達が、いくつもの人生を繰り返し生きているのだとしたら、
私が覚えていないだけで、そういう大波乱の人生が、いつかの私の人生であったかもしれないけれど、
恵まれた今生の中の、ほんのささいな浮き沈みを「波乱」などとはけして言えないのである。